オーディオの足跡

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UTY-12の画像
 解説 

UESUGI・AMPの音を多くの人に知ってもらうため、パワーアンプUTY-11とペアで発表されたプリアンプ。
UTY-11、UTY-12ともに200台限定で生産されました。

UTY-12は基本的にU・BROS-18と同じ考え方で設計開発がされており、2系統のバランス入力端子はU・BROS-18と同様にトランス式となっています。

増幅回路部は、フラットアンプをECC83/12AX7による2段NFアンプとし、前段/後段の各々の増幅段にマイナー・ループのNFBをかけ、トータルでのメジャーループでのNFB量を少なくすることで、NFBの掛けすぎによる音のクセを解消しています。
また、ECC83/12AX7には、松下電器産業K.K.電子管事業部が真空管全盛時代に、上杉研究所の仕様に応じて製造された物を、さらに厳選して使用しています。
高圧電源回路とヒーター電源回路には、共にリップル・フィルター回路を設けています。

多重シールド構造のパワー・トランスの開発使用、シャーシ内部シールドの徹底化によって、電源部を増幅部に近づけつつ、電源部からの干渉を抑えています。
シャーシ構造は、メインシャーシとサブシャーシの2ブロック構成としており、入力系と出力系はメインシャーシにまとめ、増幅部と電源部はシールドが施されたサブ・シャーシにまとめられています。

配線にはラグ板による配線を採用しています。このラグ板は制振対策として、補強構造を採用した1.6mm厚のメッキ仕上げのメタル・ベースにしっかりと固定されています。
また、配線作業はベテラン職人による手作業配線となっています。

ボリューム・コントローラーを入力インピーダンスを高く確保できる2段階構成のNFアンプで受けており、さらにボリューム・コントローラーのスライダー側の配線にシールド線を使用せず、最短距離とすることで、音量変化による音質や音色の変化を防いでいます。

テープ・モニタースイッチのポジションに、シグナル・オフという機構が設けられています。

パワートランスやバランス入力用トランスには、上杉研究所とタムラ製作所の共同開発品を採用しています。

機種の定格
型式 プリアンプ
入力感度/インピーダンス Unbalanced1、2、3、4、Tape Playback:100mV/200kΩ
Balanced1、2:110mV/600Ω
定格出力電圧 1V
最大出力電圧 25V
トータル・ゲイン 20dB
定格歪率 0.01%以下
再生周波数帯域 20Hz~20kHz
(レベルコントローラーのいかなるポジションでも)
使用真空管 ECC83/12AX7x2
消費電力 約14W
外形寸法 幅435x高さ146x奥行360mm
重量 約14kg