オーディオの足跡

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U・BROS・JUNIOR-2の画像
 解説 

「デジタル・ソースをメインとして使用し、ゲイン不要で高域での音質の劣化の無いフェーダー・ボックス」という要望に応えるために開発されたステレオ・ライン・インプット・コントローラー。

基本構造はU・BORS-18のゲイン0dB版となっており、音量変化に伴う音質劣化の無いフェーダーボックスを目指して開発されています。

U・BROS・JUNIOR-2では、インプット・セレクター、テープ・モニタースイッチを通過した信号は、アッテネーターを構成するボリューム・コントローラーに入り、その信号はノイズ対策フィルターを経由して、真空管ECC83/12Aで構成されるカソード・フォロアー・アンプへと導かれます。
このカソード・フォロアー・アンプには、高安定度回路を付加することで、安定した状態での動作を実現しています。さらに、真空管のヒーターは両波整流とし、さらにπ型フィルターを設けて、直流点火としています。これによりヒーターハムを抑えています。
カソード・フォロアー・アンプでは、カソードが高圧となり、カソード・ヒーター間の耐圧に心配がありますが、ヒーターにカソード電位と同じ直流バイアスを加えることで、そういった問題を防いでいます。

インピーダンス変換器に真空管を使用しています。
また、真空管に電源を供給するパワートランスの、リーケージフラックス対策としてシールド・テクニックが投入されており、ハム・フリー/ノイズ・フリー設計としています。

信号通過系のカップリングコンデンサーには、制振対策を十分に行ったフィルム・コンデンサーを使用しています。また、抵抗類にも音質対策を施す事で、高音質化を図っています。
パワートランスは、高価になるのを防ぐために密閉構造を避け、ハム・プルーフ・ベルト、ショート・リングを設け、リーケージ・フラックス対策が施されています。

インプットセレクターは5ポジションのロータリースイッチで構成されており、バランスド・インプットが1系統と、アンバランスド・インプットが4系統を選択できます。
バランス入力は、ハイサンプリング周波数時代のデジタルソースをも考慮して設計されたトランスで構成されています。このトランスは、上杉研究所の他アンプと同様に、タムラ製作所と共同開発された特別仕様品を採用しており、高価になるのを防ぐために、ケーシングを簡素化しています。

音質面を考慮し、プリント基板ではなく、熟練職人による手作業配線を採用しています。

フロントパネルはアルミ引抜き材によるシャンペン・ゴールド・ヘアライン加工仕上げ、ツマミはアルミ削り出し材によるシャンペン・ゴールド・スピン加工仕上げとしています。また、ウッドケースはチーク材仕上げとなっています。

機種の定格
型式 コントロールアンプ
入力 unbalanced:5系統(Tape含む)
balanced:1系統
入力インピーダンス unbalanced:200kΩ
balanced:600Ω
トータルゲイン 約0dB
定格歪率 0.01%以下
最大出力電圧 25V
再生周波数帯域 20Hz~20kHz
(アッテネーターの全ポジションにて)
使用真空管 ECC83/12AX7
出力端子 パラレルで2系統
消費電力 約5W
外形寸法 幅322x高さ146x奥行280mm
重量 約8kg