オーディオの足跡

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U・BROS-32の画像
 解説 

U・BROS-27の後継機として開発されたステレオパワーアンプ。

パワーチューブには、真空管全盛期に製造されたアメリカGE社製のEL34/6CA7を使用しており、これをウルトラリニア接続として動作させ、オーバーオールでのNFBをかけています。
また、優れた高域特性を得るために初段管とドライバー管に内部抵抗の低い6189W(ECC82/12AU7の高信頼管)を用いて、3段構成としています。さらに、低域での安定性を高めるために、初段管とドライバー管は直結として低域での時定数を2段としています。
オーバーオールでのNFBは、専用巻線の3次巻線から初段管のカソードに戻し、安定性を保っています。

トランス類には、上杉研究所とタムラ製作所が共同で開発したものを採用しています。

使用真空管のGE/EL34、フィリップスECG/6189Wは、ともに真空管全盛期に製造されたもので、これを上杉研究所特製のエージング・マシーンでエージング後、厳選して使用しています。

シャーシは、1.6mm厚SECC(ボンデ鋼板)を折り曲げ加工した後に、溶接部の全てにハンダを流して研磨し4隅のアールを出した、独自のハンドメイド仕上げとなっています。

レベルコントローラーを初段管のすぐそばに配置し、レベルコントローラーからの配線にシールド・ワイヤーを使用せず、かつ最短の配線としています。これにより、レベル・コントローラーの調整による高域特性の変化を抑えています。
配線法にはUESUGI方式を採用しており、配線は熟練職人によるハンド・メイドとなっています。

シングル方式では、アウトプット・トランスの1次コイルに直流が流れるため、1次コイルのインダクタンスを高く保つことが難しく、その結果スケールの大きな低音が得られにくいという欠点があります。
U・BROS-32では、コア・ボリュームを大きくし1次コイルに高いインダクタンスを得ることで、シングル・アンプの欠点をカバーしています。

機種の定格
型式 ステレオパワーアンプ
入力感度 600mV(1kHz)
連続最大出力 6W+6W(4Ω、8Ω、16Ω)
歪率 0.1%以下(1W、100Hz、1kHz、10kHz)
出力マッチング・インピーダンス 4Ω、8Ω、16Ω
入力インピーダンス 約90kΩ
周波数特性 8Hz~80kHz
ダンピングファクター 約7(ON-OFF法にて測定)
残留雑音 0.8mV以下(高調波成分含まず)
消費電力 約100W
外形寸法 幅310x高さ200x奥行228mm
重量 約14kg
付属 ボンネット・カバー