UESUGI U・BROS-23
¥500,000(1995年8月発売)
解説
U・BROS-15の後継機として、ハイ・クオリティとハイパワーの両立を図ったモノラルパワーアンプ。
U・BROS-23では、上杉研究所とタムラ製作所の共同開発によって3年の歳月をかけて誕生したアウトプット・トランスを採用しています。これにより、ハイクオリティとハイパワーの両立を実現しています。
このアウトプットトランスは、パワーチューブの負荷となる1次巻線、スピーカーシステムと接続される2次巻線のほかに、メイン・ループ用NFB3次巻線、パワー・チューブ用のカソード・フィードバック4次巻線を備えた構造となっています。
パワー・チューブにアメリカGE社製の最大定格の大きなEL34/6CA7を使用し、これをパラレル・プッシュプルで動作させることによって、理論上約2倍のパワーを得ており、パワーチューブのカソードに、アウトプット・トランスのカソードフィードバック専用4次巻線からカソードフィードバックを掛け、ハイパワーとハイクオリティを両立させています。
EL34/6CA7は、パラレル・プッシュプル動作としなくても800V前後の高電圧動作とすることでハイパワーを採りだす事ができますが、安全性や安定性を考え、パラレル・プッシュプルとしています。
フェーズインバーター兼ドライバーには特性の安定したECC82/12AU7によるカソード複合型、パワーステージはEL34/6CA7のパラレルプッシュプル・カソードネガティブフィードバック接続といった回路構成としています。
また、ECC83/12AX7のバラツキによって性能が乱れたり動作が不安定となったりしないように、充分なブリーダー電流を流すことによって、考案低下を図っています。
真空管には真空管全盛時代に製造されたものを使用しており、それらの真空管を上杉研究所特製のエージング・マシーンで充分にエージングし、その後厳選して使用しています。
シャーシは1.6mm厚の高級鉄材を折り曲げ加工した後に、溶接部の全てにハンダを流して研磨し4隅のアールを出した、独自のハンドメイド仕上げとなっています。
電源部ロック/バイアス・ブロック/増幅段ブロックといった具合に各ブロックごとに分けた配線を採用しています。
また、レベル・コントローラーを初段管のすぐそばに配置し、レベルコントローラーからの配線にシールド・ワイヤーを使用せず、かつ最短配線とすることで、レベルコントローラーの調整による音質変化を抑えています。
配線法にはUESUGI方式を採用しており、熟練職人によるハンドメイドとなっています。
機種の定格
型式 | モノラルパワーアンプ |
出力段 | アメリカGE社製EL34/6CA7による パラレル・プッシュプル・カソード・ネガティブ・フィードバック方式 |
入力感度 | 1.05V |
入力インピーダンス | 100kΩ |
定格出力 | 80W |
出力インピーダンス | 2Ω、4Ω、8Ω |
再生周波数帯域 | 20Hz~20kHz (レベルコントローラーのいかなるポジションでも) |
歪率 | 0.1%以下 |
ダンピング・ファクター | 10 |
残留雑音 | 0.4mV以下(高調波成分含まず、8Ω負荷) |
消費電力 | 約280W(電気用品取締法、最大出力時) |
外形寸法 | 幅435x高さ232x奥行175mm |
重量 | 約22kg |