KENWOOD KT-880
¥45,000(1984年頃)
解説
ケンウッドのFM技術であるDLLDやDCCを採用し、より優れた受信特性・音質特性を目指したFM/AMステレオチューナー。
      
      ダイレクト・リニアレセプション・サーキットを採用しており、シンセサイザーの微妙な狂いにより、低い周波数で起きていた低SN比現象を防止しています。
      
      広帯域直線検波方式であるDLLD(ダイレクト・リニア・ループ・ディテクター)を採用しています。
      この回路は、10.7MHzのIF信号をダイレクトにリニア化して、閉ループ検波器で検波し、さらに閉ループ内に歪補正回路を設けることでVCOの非直線歪やIFフィルターで発生する歪もゼロにしようという検波方式です。
      また、DLLDは閉ループ検波器なので、ループ内で発生するノイズは抑えられ、高いSN比の検波器となります。
      
      IF歪補正回路としてDCCを採用しています。
      この回路では、IFフィルターで発生した高調波歪成分だけを抽出しキャンセルするため、歪率も大幅に低減できています。
      
      フロントエンドのRF増幅部とMIX部にデュアルゲートMOS FETを採用し、大入力特性の象徴的な相互変調特性を大幅に改善しています。
      
      タイマーと連動して2つの放送局を留守録することが出来ます。
      プログラム・メモリーはCH-1以外の1局(CH-2~CH-8)をプリセットしておけば、電源が入ったときにはプリセットした局を受信し、いったん電源が切れた後電源が入った時にはCH-1を受信します。
      
      ブラックモデル以外にシルバーモデルもありました。
			
機種の定格
| 型式 | DLLDスーパーシンセサイザーFM/AMチューナー | ||||
| <FMチューナー部> | |||||
| 受信周波数範囲 | 76MHz~90MHz | ||||
| アンテナインピーダンス | 75Ω不平衡 | ||||
| 感度(75Ω) | 0.95μV/10.8dBf | ||||
| SN比50dB感度 | mono:1.8μV/16.2dBf stereo:24μV/38.8dBf  | 
                ||||
| 高調波歪率(100%変調) | 
      
  | 
                ||||
| SN比(100%変調、85dBf入力) | mono:98dB stereo:88dB  | 
                ||||
| キャプチャーレシオ | Narrow:1.0dB | ||||
| 実効選択度(IHF) | 60dB | ||||
| ステレオセパレーション | 1kHz:68dB | ||||
| 周波数特性 | 20Hz~15kHz +0.2 -0.8dB | ||||
| イメージ妨害比(84MHz) | 90dB | ||||
| IF妨害比(84MHz) | 100dB | ||||
| スプリアス妨害比(84MHz) | 100dB | ||||
| AM抑圧比(65.2dBf) | 65dB | ||||
| サブキャリア抑圧比 | 70dB | ||||
| 出力レベル/インピーダンス | FM(1kHz、100%変調):0.6V/3.3kΩ | ||||
| <AMチューナー部> | |||||
| 受信周波数範囲 | 531kHz~1602kHz | ||||
| 感度 | 10μV・300μV/m | ||||
| 高調波歪率(1000kHz) | 0.3% | ||||
| イメージ妨害比(1000kHz) | 40dB | ||||
| IF妨害比(1000kHz) | 60dB | ||||
| 選択度(IHF) | 30dB | ||||
| 出力レベル/インピーダンス | 0.18V/3.3kΩ | ||||
| SN比(30%変調、1mV入力) | 50dB | ||||
| <総合> | |||||
| 電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz | ||||
| 定格消費電力(電気用品取締法) | 10W | ||||
| 外形寸法 | 幅440x高さ64x奥行318mm | ||||
| 重量 | 3.3kg | ||||