KENWOOD KT-2020
¥74,800(1984年頃)
解説
ケンウッド独自の技術を多数投入し、より安定した受信と高音質化を図ったFM/AMチューナー。
シンセサイザーチューナーで発生していた低い周波数での問題を解決するため、ダイレクト・リニアレセプション・サーキットが採用されています。
これにより、低い周波数の放送も安定してキャッチし、高音質な受信を可能としています。
新開発のDPD(ダイレクト・ピュア・デコーダー)MPXを採用しており、従来の方形波でスイッチングするのと違い、38kHz以外の成分を全く持たない純粋な正弦波で検波出力と掛算する方式をとっているため、クリーンレセプション・フィルターなどのローパスフィルターを必要とせずに、聴き苦しい混信妨害を排除し、クリアなステレオ復調が可能となっています。
KT-1010で完成したDLLD(ダイレクト・リニアループ・ディテクター)とDCC(ディストーション・コレクティング・サーキット)を組合わせてIF段を構成しています。
これにより、ワイドポジションでも高選択度を維持しながら低歪率を得ています。
モジュレーション・レベルメーターを搭載しており、演奏中のモジュレーションレベル変化をリアルタイムに表示します。
ピークホールド機能によりレベルを一目でわかるようにしており、定常レベルはRECキャリブレーターで調整し、その後の微調整はモジュレーション・レベルメーターで行えば、エアチェックミスなどを防止出来ます。
AM帯域可変回路を採用しており、周波数特性を自在にコントロールして、AMを音質に優れたHi-Fiソースに変身させます。
留守録に便利な2局プログラム機能や遠距離ステレオ受信に強いオートクワイティングコントロールを搭載しています。
ブラックモデルの他にシルバーモデルがありました。
機種の定格
型式 | DLLDスーパーシンセサイザーFM/AMチューナー | ||||||||||
<FMチューナー部> | |||||||||||
受信周波数範囲 | 76MHz~90MHz | ||||||||||
アンテナインピーダンス | 75Ω不平衡 | ||||||||||
感度(75Ω) | 0.95μV/10.8dBf | ||||||||||
SN比50dB感度 | mono:1.8μV/16.2dBf stereo:22μV/38.1dBf |
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高調波歪率(100%変調) |
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SN比(100%変調、85dBf入力) | mono:99dB stereo:91dB |
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キャプチャーレシオ | Narrow:2.5dB | ||||||||||
実効選択度(IHF) | Wide:70dB Narrow:100dB |
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ステレオセパレーション |
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周波数特性 | 20Hz~15kHz ±0.5dB | ||||||||||
イメージ妨害比(84MHz) | 95dB | ||||||||||
IF妨害比(84MHz) | 110dB | ||||||||||
スプリアス妨害比(84MHz) | 100dB | ||||||||||
AM抑圧比(65.2dBf) | 70dB | ||||||||||
サブキャリア抑圧比 | 70dB | ||||||||||
出力レベル/インピーダンス | FM(1kHz、100%変調):0.6V/1.7kΩ | ||||||||||
<AMチューナー部> | |||||||||||
受信周波数範囲 | 531kHz~1602kHz | ||||||||||
感度 | 10μV・250μV/m | ||||||||||
高調波歪率(1000kHz) | Wide:0.3% Narrow:0.6% |
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イメージ妨害比(1000kHz) | 40dB | ||||||||||
IF妨害比(1000kHz) | 60dB | ||||||||||
選択度(IHF) | Wide:30dB Narrow:50dB |
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出力レベル/インピーダンス | 0.12V/1.7kΩ | ||||||||||
SN比(30%変調、1mV入力) | 55dB | ||||||||||
<総合> | |||||||||||
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz | ||||||||||
定格消費電力(電気用品取締法) | 14W | ||||||||||
外形寸法 | 幅440x高さ88x奥行331mm | ||||||||||
重量 | 4.5kg |