
TRIO SC-401
¥32,000(1台、1968年頃?)
解説
マルチアンプ再生に対応した400シリーズのスピーカーシステム。
従来のスピーカーシステムの設計手法では一般の中音域について平均音圧で2~5dB高くとるのがオーソドックスな手法とされており、低音域の不足についてはバスレフ効果によって補ってきました。これにより店頭で聴き比べた際に目を引く音質を得ていましたが、自宅に持ち込んで長時間聴いた場合に耳につく事もありました。
400シリーズでは低域から高域をあえてフラットな特性にすると共に、平均音圧を従来のオーソドックスなスピーカーよりも3~4dB低くとることで、長時間聴いた場合にも豊かなで自然な再生音が得られるように設計されています。
さらにボザーク社との技術提携を行うことで、ボザークスピーカーのコーン紙の材料や音質について研究を重ね、その成果を基にして独自の手法、混合度、質量を決定したスピーカーユニットを採用しています。
SC-401では背面端子部の切換によってマルチアンプ再生に対応しています。
マルチアンプ再生時はネットワークから切り離されてユニットにダイレクト接続となるため、チャンネルディバイダーが必要となります。この際に6dB/oct、18dB/octの場合は中域は接続を正逆の両方でテストして下さい。また、12dB/octでは逆位相接続して下さい。この場合のクロスオーバー周波数は800Hzと5kHzに設定して下さい。
低域には30cmコーン型ウーファーを搭載し、中域には16cmコーン型スコーカーを搭載しています。
また、高域にはホーン型ツィーターを搭載しています。
ネットワーク部には本格的なLC型ネットワークを採用しています。
また、3段切換式のトーンコントロールを搭載しています。
エンクロージャーにはホモゲン材を使用しており、内部構造には密閉方式を採用すると共にスコーカー部を独立した小型密閉箱に収めることでウーファーとの干渉歪を抑えています。外観はウォルナットのウレタン仕上げが施されています。
スピーカーエンクロージャーと台部分が分離したデザインを採用しており、縦置きと横置きのどちらの設置方法にも対応するとともに、台部分を除いてブックシェルフ型としても使用できるように設計されています。
400シリーズと寸法を合わせたSRシリーズのキャビネットを組み合わせて使用することで、ステレオセットのように寸法を揃えて使用できます。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・フロア/ブックシェルフ型 |
ユニット | 低域用:30cmコーン型 中域用:16cmコーン型 高域用:ホーン型 |
再生周波数帯域 | 30Hz~20kHz |
瞬時最大入力 | 30W |
インピーダンス | 8Ω |
クロスオーバー周波数 | 800Hz、5kHz |
ネットワーク | LC型、12dB/oct |
トーンコントロール | 3段階切換式 Clear:高域が少し強調された音 Normal:理想的なHi-Fi音 Soft:高域が少し減衰した音 |
外形寸法 | 本体のみ:幅500x高さ700x奥行445mm 台つき:幅500x高さ785x奥行445mm |
重量 | 29kg |