TRIO KX-880SR
¥69,800(1983年発売)
解説
トリオ独自のTLLE定電流駆動方式などを取りいれたステレオカセットデッキ。
トリオ独自の定電流駆動録音アンプを採用しており、従来の擬似的な定電流駆動回路と異なり、出力部の直列抵抗を必要としないため、録音アンプのダイナミックレンジを大幅に向上しています。
また、録音ヘッドに流れる電流を録音アンプ自体で制御しているため、負荷となる録音ヘッドのインピーダンス変化の影響を受けず、全周波数帯域で均一な磁束が得られる理想的な録音を可能にしています。
ヘッド駆動用と利得制御用の2つのループをもち、±2電源で録音ヘッドとDC直結したトリオ独自の定電流駆動回路TLLEを開発・採用しています。
これにより、高域における電流伝達ロスが無く高品位な高音の録音を実現するとともに、出力抵抗を追放したことにより従来方式に比べダイナミックレンジを大幅に改善しています。
また、ヘッド駆動電流がヘッドのインピーダンス変化に依存しないため、位相劣化が起きず、負荷変動に起因する電流歪を抑圧でき、さらには録音ヘッドとDC直結となっているため、超低域までフラットな録音が可能となっています。
走行系には、メカにかかるあらゆる振動モードを多角的に解析し開発sあれた高剛性サイレントメカを採用しています。
さらに、メカ本体をシンプル化し、カセットを固定するガイドに金属シャフトを採用するなどの他に、ヘッドを据えつけるヘッドベースにより剛性の高い金属を使用するなど、より完成度を高め、外乱を抑えています。
録音回路、再生回路、ドルビーB・C回路の全てにオペアンプ型式の±電源回路を採用しており、アースのゼロ電位を明確化してクリアな音を実現しています。
さらに電源部には±5系統の定電圧電源を使用して各部間の干渉を排除しています。
アースを明確化したモーター駆動回路を採用しており、モーターが回転することによって発生するノイズ成分を抑えています。
ヘッド部にはアモルファスアロイヘッドを採用しており、絶縁性に優れたアモルファスアロイを45μの極薄板にして、13枚ラミネートしてヘッドコアを構成しており、過電流が少なく、高域レンジの伸びた広い周波数特性を実現しています。
さらに、巻線に無酸素銅を使用しており、伝送特性を改善しています。
超低域の位相変移が可聴周波数帯域における音像に大きな影響を与えてる事に着目し、コンピューターを使用した三次元解析法を開発し、音を改良しています。
ドルビーCタイプに新ICを採用しています。
前後1曲頭出し、希望曲の頭出し、1曲リピート、ワンサイド・フルリピート、ダッシュ・アンド・プレイ、リレック・スタンバイ、リワインド・プレイ、0ストップ、インデックス・スキャン、ブランク・サーチ、オート・レック・ミュートなどのオート機能をNewDPSSにより実現しています。
また、4桁リニアカウンターはDPSS表示計で、残量表示計として自動的に切り換わる多機能タイプとなっています。
別売りでリモートコントロールユニットがありました。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ |
トラック形式 | ステレオ |
録音方式 | 交流バイアス(105kHz) |
ヘッド | 録音・再生:アモルファスアロイヘッド 消去:ダブルギャップフェライトヘッド |
モーター | キャプスタンモーター:FGサーボDDモーター リールモーター:DCモーター メカ駆動モーター:DCモーター |
ワウ・フラッター | ±0.054% W・Peak(EIAJ) 0.027% (WRMS) |
早巻時間 | 約80秒(C-54) |
周波数特性 | ノーマルテープ:20Hz~18000Hz ±3dB クロームテープ:20Hz~19000Hz ±3dB メタルテープ:20Hz~22000Hz ±3dB |
歪率 | メタルテープ:0.8%(1kHz、3次高調波歪率、EIAJ) |
SN比 | EIAJ メタルテープ:57dB Dolby C on:74dB Dolby B on:67dB Dolby NR off:59dB |
入力端子 | マイク:0.3mV(適合インピーダンス600Ω) ライン:77.5mV(入力インピーダンス50kΩ) |
出力端子 | ライン:0.77V(出力インピーダンス2kΩ) ヘッドホン:0.85mW(出力負荷インピーダンス8Ω) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | AC 25W(電気用品取締法) |
外形寸法 | EIAJ:幅440x高さ98x奥行300mm 突起部含む:幅440x高さ111x奥行322mm |
重量 | 5.9kg |
別売 | ワイヤードリモコン RC-7(¥6,000) |