TRIO KX-880
¥69,800(1982年発売)
解説
無共振思想による高剛性サイレント・メカを搭載したステレオカセットデッキ。
目かにかかるあらゆる振動モードを多角的に解析し、振動による影響を受けにくい、カセットデッキ独自の走行系を追及して生まれた高剛性サイレント・メカを採用しています。
まず、余分なフレームなどを取り除き、メカ本体を徹底的にシンプル化しています。さらに、カセットを固定するガイドも従来のプラスチックモールドから金属シャフトに変更し、カセットをメカ・シャーシにガッチリと固定しています。
このメカ構造により、外乱を抑え、テープの安定したヘッドタッチを実現しています。
超低域の位相変位が可聴周波数帯域における音像に大きな影響を与えることに着目し、コンピューターを使用した三次元解析法を完成し、音に磨きをかけています。
測定方法は、左右のチャンネルに6.3kHzのサイン波信号をいれ、カセットデッキで録音したテープを再生して、コンピュータ解析を行い、三次元グラフに表すというもので、この測定法から得た様々なノウハウを生かし、シャープな音像と明確な音像定位を得ています。
ヘッドにはアモルファスヘッドを採用しています。
透磁率が高く、小さな磁界で大きな磁束密度がとれるため高能率・高音質録音ができ、さらに絶縁性にも優れたアモルファスアロイを45μの極薄板にして、13枚ラミネートしてヘッドコアを構成しています。
こうすることで、過電流が少なく、高域レンジの伸びた広い周波数特性を実現しています。
専用ICを使用した録音・再生のMOL特性に優れたドルビーCタイプを搭載してます。
前後1曲頭出し、希望曲の頭出し、1曲リピート、ワンサイド・フルリピート、ダッシュ・アンド・プレイ、リレック・スタンバイ、リワインド・プレイ、インデックス・スキャン、ブランクサーチ、オートレックミュートなどの操作が可能なNewD.P.S.S.を搭載してます。
4桁リニアカウンターはD.P.S.S.表示計、残量表示計として自動的に切り換わる多機能表示となっています。
別売りのワイヤードリモコンRC-7を使用すると、ブランクサーチとインデックススキャンを除くすべてのD.P.S.S.操作を遠隔操作できます。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ |
トラック形式 | ステレオ |
録音方式 | 交流バイアス(105kHz) |
ヘッド | 録音・再生:アモルファスアロイヘッド 消去:ダブルギャップフェライトヘッド |
モーター | キャプスタンモーター:FGサーボDDモーター リールモーター:DCモーター メカ駆動モーター:DCモーター |
ワウ・フラッター | ±0.054% W・Peak(EIAJ) 0.027% (WRMS) |
早巻時間 | 約85秒(C-60) |
周波数特性 | ノーマルテープ:20Hz~18000Hz ±3dB クロームテープ:20Hz~19000Hz ±3dB メタルテープ:20Hz~22000Hz ±3dB |
歪率(1kHz、 3次高調波歪率、EIAJ) |
ノーマルテープ:0.55% メタルテープ:0.8% |
SN比 | EIAJ メタルテープ:57dB Dolby C on:74dB Dolby B on:67dB Dolby NR off:59dB |
入力端子 | マイク:0.3mV(適合インピーダンス600Ω) ライン:77.5mV(入力インピーダンス50kΩ) |
出力端子 | ライン:0.39V(出力インピーダンス2kΩ) ヘッドホン:0.85mW(出力負荷インピーダンス8Ω) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | AC 27W(電気用品取締法) |
外形寸法 | EIAJ:幅440x高さ98x奥行300mm 突起部含む:幅440x高さ111x奥行322mm |
重量 | 5.9kg |
別売 | ワイヤードリモコン RC-7(¥6,000) |