KENWOOD KX-5010
¥64,800(1988年頃)
解説
ATCSや防振メカニズムを採用したステレオカセットデッキ。
カセットハーフの装着にテープバススタビライザーを採用しています。
この方式では、従来の板バネ方式に加え、圧縮コイルバネを使った独自のクランパーとクランパーの先端に特殊弾性ゴムを使用しています。ホルダーが閉じるとクランパーに取付けられた圧縮コイルバネと特殊弾性ゴムが左右両端からカセットハーフを押さえ込みしっかりと固定します。これによりハーフの振動を吸収し、テープ走行の安定と変調ノイズの軽減を実現しています。
テープをベストコンディションで使用するためATCS(オートマティック・テープキャリブレーション・システム)を採用しています。
ATCSでは各テープのレベル(録音感度)とバイアスのキャリブレーションをマイコンで自動設定するため、テープ性能のばらつきによるドルビー誤動作を防ぐ事ができ、あらゆるテープをベストコンディションで使うことができます。
信号経路の最短化を図るため内部コンストラクションにはロジカルフローコンストラクションを採用しています。
KX-5010では、延長シャフトを使ってRECボリュームを入力端子の近くに配置することによって信号経路を最短化し、信号ラインのインピーダンスによる音質の劣化防止を図っています。また、ボリュームには極めてクオリティの高いミニディテントボリュームを採用しており、ボリュームのブラシ抵抗体による音質の劣化も抑えています。
さらに、延長シャフトとボリュームシャフトのジョイントにゴムのカップリングを使用し、パネル面からの振動がボリュームに伝わるのを防いでいます。
電源部は4巻線2タップの電源トランスと8個の安定化電源で構成されており、録再アンプへの電源と各メカニズム駆動用電源を完全に分離することでメカ駆動系の電源からの信号系への影響を防いでいます。
このアース分離をしたうえで、安定化電源によって低出力インピーダンスで録音・再生アンプを駆動することで、高音質化を図っています。
DPSS(ダイレクト・プログラム・サーチ・システム)を搭載しています。
この機能によって、飛越選曲や1曲リピート、片面をフルリピート再生するダッシュ&プレイ、インデックススキャン、ブランクサーチ、リレックスタンバイ、ゼロストップなどを可能にしています。
ドルビーHX-PROシステムを搭載しています。
独自の高剛性サイレントメカニズムと大口径ローターモーターを搭載しています。
無酸素銅巻線を用いたニューアモルファスコンビネーションヘッドを採用しています。
低歪率で位相特性に優れたSuper TLLEを搭載しています。
大型インシュレーターを採用しています。
金メッキヘッドホン端子を搭載しています。
DPSS機能やATCS機能を操作することができるワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ |
トラック形式 | ステレオ |
録音方式 | 交流バイアス(105kHz) |
ヘッド | 録再:アモルファスアロイヘッド 消去:ダブルギャップフェライトヘッド |
モーター | キャプスタン駆動:FGサーボDDモーター リール駆動:DCモーター メカ駆動:DCモーター |
ワウ・フラッター | ±0.04%(EIAJ) 0.025% (WRMS) |
早巻時間 | 約80秒(C-60テープ) |
周波数特性 | ノーマルテープ:20Hz~18kHz ±3dB クロームテープ:20Hz~19kHz ±3dB メタルテープ:20Hz~21kHz ±3dB |
歪率 | メタルテープ:0.8%(1kHz、3次高調波歪率) |
SN比 | EIAJ メタルテープ:57dB Dolby C on:74dB Dolby B on:67dB Dolby NR off:59dB |
入力端子 | ライン:77.5mV/50kΩ |
出力端子 | ライン:490mV/3kΩ ヘッドホン:3mW/8Ω |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 19W(電気用品取締法) |
外形寸法 | 幅440x高さ127x奥行321mm |
重量 | 6.4kg |
付属 | ワイヤレスリモコン RC-X5010 |