TRIO KX-1000D
¥87,000(1981年頃)
解説
基本性能を徹底追及するとともにドルビーHXを搭載することでダイナミックレンジの拡大を図ったステレオカセットデッキ。
メカニズム部には、モーターの回転軸がキャプスタンを直接駆動するダイレクトドライブ方式を採用しています。
ベルトなどの中間伝達機構を全く持たないため、伝達機構に起因するワウ・フラッターの変化や経年変化などによる悪影響を徹底的に排除しています。
また、DDモーターには8極構造のコアレス&スロットレス3相スイッチング・プレーンドライブ・モーターを使用しており、トルクリップルは極めて少なく、高効率を実現しています。
DDモーターの制御系は、L-07Dなどで精度の高さを実証した全周積分交流ジェネレーターを搭載しており、高精度のキャプスタンや慣性質量の大きなフライホイールと相まって、テープの正確な走行を実現しています。
各メカニズムの動作は全てICフルロジックコントロールを採用しており、各モードから次のモードへの切換えはSTOPキーを介さないでダイレクトにチェンジが可能です。しかもメにカは常にSTOPモードを経由してモード切換えを行うテープ・プロテクション方式を採用しています。
ヘッドには、録音ヘッド5μ・再生ヘッド1μと最適ギャップ幅を設定したフェライト・コンビネーション3ヘッドを採用しており、広帯域にわたりフラットな周波数特性、低歪率、高い飽和レベル、ダイナミックレンジを得ています。
また、ヘッドからアンプまで、録音と再生が独立した別電源として、録音中に録音ソースの音だけでなく、録音されたテープの音を再生モニターして比較しながらレベルやサウンドをチェックできます。
ドルビーHX(ヘッドルーム・エクステンション)システムを搭載しています。
録音時にバイアス電流と録音イコライザーを信号に応じて変化させ、オープンループ並に録音ダイナミックレンジを拡大しています。
テープ片面リピート、巻き戻した状態でSTOPのいずれかが選べるオートリワインドを搭載しています。
センシングテープを巻取り、すぐに録音スタンバイできるオートリードイン機構を搭載しています。
押した時間だけ無録音部を作れるレックミュート機能を搭載しています。
バイアス調整ボリュームを搭載しています。
REC/PLAYタイマースタンバイ機構を搭載しています。
3ポイントピークインジケーター付大型VUメーターを搭載しています。
機種の定格
型式 | 3ヘッドステレオカセットデッキ |
トラック形式 | 4トラック2チャンネルステレオ |
モーター | キャプスタン:FGサーボダイレクトドライブ リール台:DCモーター |
ヘッド | 録再:フェライトコンビネーションタイプ 消去:フェライト |
ワウ・フラッター | 0.035%(WRMS)以下 |
周波数特性 | ノーマル:20Hz~19kHz(20Hz~18kHz ±3dB) フェリクローム:20Hz~19kHz(20Hz~18kHz ±3dB) クローム:20Hz~19kHz(20Hz~18kHz ±3dB) メタル:20Hz~20kHz(20Hz~19kHz ±3dB) |
SN比(DolbyHX ON、 5kHz以上/OFF) |
ノーマル:67dB/57dB フェリクローム:69dB/59dB クローム:69dB/59dB メタル:70dB/60dB |
総合歪率 | 0.3%以下(メタル、0VU、1kHz) |
入力感度/インピーダンス | MIC(ローインピーダンス600Ω用):0.25mV/10kΩ LINE:77.5mV/50kΩ |
出力レベル/インピーダンス | LINE:390mV/100kΩ Headphone:50mV/8Ω |
付属機構 | ドルビーHXシステム ドルビーNR 4段テープセレクター 大型VUメーター オートリワインド(Play/Stop) オートリードイン テープモニターSW RECミュート 単独MPXフィルター タイマースタンバイ バイアス可変ボリューム |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 20W(電気用品取締法) |
外形寸法 | 幅440x高さ123x奥行373mm |
重量 | 7.1kg |