TRIO KP-7600
¥60,000(1976年頃)
解説
ダイレクトドライブ方式のプレイヤーシステム。
ターンテーブルには550kg・cm2の慣性モーメントを持つターンテーブルを採用しています。駆動モーターには1.3kg・cmの起動トルクを持つ20極30スロットDC・DDモーターを採用しています。
BSBM材で固定した10Φセンターシャフトを採用しています。
モータートルクの反作用と外乱を抑えたMC材ウェイトベースを採用しています。
慣性モーメントの大きなターンテーブルを起動トルクの大きなモーターでドライブすると、その慣性エネルギーは反作用としてキャビネットを振動させます。この振動はトーンアームを揺るがし、レコード盤に刻まれた情報をゆがめます。
これを抑えるためキャビネットにMC材を配し、トータルウェイトを増加させてターンテーブルの反作用を抑制しています。
デュアルサスペンションアブソーバーを採用しており、縦横両方向の外乱を抑えています。
起動コイルを利用した純電子式ブレーキを採用しています。
スタート/ストップ/回転数切換とスピードコントロールにはマイクロスイッチ制御を採用しています。
回転数切換スイッチ及びスタート・ストップ切換には動作の確実なフリップフロップ回路を採用したデジタル制御方式を採用しています。
スピードコントロール機構は33・1/3、45rpmが独立しており、±3%の範囲内でコントロールが可能です。
ターンテーブルシートにはヘルムホルツ共鳴箱の原理を応用した防振設定テーブルシートを採用しています。
また、KP-7600のテーブルシートには33・1/3、45rpm用のストロボスコープが付属しています。
BSBM材ブロック削り出しアームベースと4mmのダブルポイント固定ネジを採用しており、固定強度を高めることでトーンアームの振動を抑えています。
トーンアームにはアームレゾナンスと1次分割共振を同時にキャンセルさせるカップリング質量分離型トーンアームであるTA-51を採用しており、ハウリングマージンをあげるとともにレベルの大きな低域共振を抑えて音質を改善しています。
TA-51はKP-7700に採用されたTA-71とは微妙な弾性係数が異なります。
ゼロポイント時間前無接点アンチスケーティング機構を採用しています。
トーンアームのゼロバランス調整時、アンチスケーティング目盛をゼロにするとトーンアームを完全にフリー状態にできます。
機種の定格
型式 | レコードプレイヤー |
<ターンテーブル部(PM-500)> | |
駆動方式 | ダイレクトドライブ |
駆動モーター | 20極30スロットDCサーボモーター |
ターンテーブル | 33.0cmアルミダイキャスト製、2.6kg |
慣性モーメント | 550kg・cm2(ゴムシート含む) |
回転数 | 33・1/3、45rpm |
ワウ・フラッター | 0.025%WRMS以下 |
SN比 | 62dB(JIS) 74dB(DIN-B) |
トランジェント負荷特性 | 0.00030%以下(400Hz、33・1/3、20g・cm負荷) 0.00015%以下(1kHz、33・1/3、20g・cm負荷) |
起動特性 | 2.2秒 |
<トーンアーム部(TA-51)> | |
型式 | スタティックバランスS字型パイプアーム |
構造 | 質量分離方式 |
アーム実効長 | 245mm |
オーバーハング | 15mm |
トラッキングエラー | +1.8゜~-1.0゜ |
針圧可変範囲 | 0~3.0g(0.1gステップ) |
適用カートリッジ重量 | 3g~13g(付属シェル使用時) |
付属シェル | 12g、一体成型アルミ合金ダイキャスト |
アーム高さ調整 | 6mm |
<その他> | |
付属機構 | 純電子ブレーキ ピッチコントロール アームエレベーション等 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 10W |
外形寸法 | 幅490x高さ160x奥行423mm |
重量 | 17.2kg |