TRIO KP-5050
¥55,000(1979年頃)
解説
慣性ロックを採用したDDターンテーブル。
レコード音溝と針先との間で発生する摩擦力により、なめらかな回転が乱れるのを防ぐため、慣性ロックの思想を導入しています。
ターンテーブルの慣性モーメントを550kg・cm2に設計し、サーボ利得を大きくすると同時に裸特性にすぐれた20極30スロットモーターを採用しています。
センターシャフトには7φのものを採用しています。
アームベースは90mmφ(6mm厚)と接触面積を大きくとり、キャビネットだけでなくARCB(アンチレゾナンスコンプレッションベース)材をもホールドしており、トーンアームがキャビネットに根をはったような構造とすることで防振しています。
ウェッジチャック式のアームホールディングを採用しています。
ロックレバーを手前に引く事によりスライドカムが上方に持ち上げられ、ウェッジカムが左方に移動し、アームシャフトをアームベースに押さえつける構造となっており、ウェッジカムには高硬度の焼結合金を使用しています。
ネジ固定の45倍以上の接触面積でアームシャフトを圧着しています。
トーンアームに加わる分割振動のなかで、レベルの大きなfo共振からトーンアームを守る、質量分離型トーンアームを採用しています。
アームパイプとメインウエイトは、ブチルゴムでカップリングされ、メインウエイト部で発生する分割振動を抑えています。
ヘリコイド式アーム高さ調整機構を採用しています。
スタティックタイプのアンチスケーティング機構を採用しています。
カートリッジは別売りでした。
機種の定格
型式 | ダイレクトドライブターンテーブル |
<フォノモーター部> | |
駆動方式 | ダイレクトドライブ |
モーター | 20極30スロットDCモーター |
起動トルク | 1.0g・cm以上 |
ターンテーブル | 33cm、2.6kgアルミ合金ダイカスト製 |
慣性モーメント | 550kg・cm2(ゴムシート含む) |
回転数 | 33・1/3、45rpm |
ワウ・フラッター | 0.027%(WRMS) |
SN比 | 62dB(JIS) 80dB(DIN-B) |
トランジェント負荷特性 | 0.00030%以下(400Hz、33・1/3rpm、20g・cm負荷) 0.00015%以下(1kHz、33・1/3rpm、20g・cm負荷) |
<トーンアーム部> | |
型式 | スタティックバランスS字型パイプアーム |
構造 | 弾性カップリング質量分離方式 |
アーム実効長 | 245mm |
オーバーハング | 15mm |
トラッキングエラー | +1.8゜~-1.0゜ |
針圧可変範囲 | 0~3.0g(0.1gステップ) |
適用カートリッジ重量 | 2~12g(付属シェル使用時) |
付属シェル | 一体成型アルミ合金ダイキャスト |
アーム高さ調整 | 6mm |
<総合> | |
付属機構 | スタティック型アンチスケーティング トーンアーム高さ調整 ウェッジチャック式アームロック オイル式アームエレベーション タッチ式操作スイッチ 回転数確認メーター |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力(電気用品取締法) | 10W |
外形寸法 | 幅490x高さ165x奥行458mm |
重量 | 15kg |