
KENWOOD DX-7030
¥98,000(1991年頃)
解説
SCMSに対応したDATデッキ。
SCMS方式を採用することによって従来できなかった44kHzモードのデジタルtoデジタル録音が第一世代に限り可能になっています。
内部レイアウトにはメカミッド構造を採用しています。
この方式では高速回転するヘリカルスキャンヘッドを筐体の重心点と同一にするため、振動解析によって最も理想的なセンターメカニズム配置としています。さらに1.6mmの鋼板をベースにしたシャーシとボックスブリッジ構造によるメカフロアを採用した高剛性設計により、振動の影響を低減しています。
3周波数独立クリスタルオシレーターを採用しており、AD/DA用としてDATで必要な48/44.1/32kHzの各周波数に最短回路配置で独立水晶発振器を装備し、ジッターの発生や外部干渉を最小限に抑えています。
また、水晶発振回路にはハイプレシジョンマスタークロックシステムを採用しており、マスタークロックに飛び込んできた外乱ノイズを増幅せずに等価回路方式を用いて動作基準信号を発振することでクロックの精度を高めています。
D/A変換部には微分直線性を追求した1ビットパルスD/Aコンバーターを採用しています。最も精度を要求されるマスタークロックは1024倍となっており、滑らかさを持ったD/A変換が可能となっています。
さらに多重帰還型アナログローパスフィルターの採用もあいまって位相特性変化を低レベルに抑え込んでいます。
A/D変換部には4次ノイズシェーパーを持つ64fsのΔ∑方式A/Dコンバーターを採用しています。
ダブルシークエンスデジタルPLL回路を採用しており、デジタル信号の入力直後とD/Aコンバーターユニットの2段構成とすることで基準周波数ずれとジッターを最小限に抑えています。
高速デジタルDPSS(ダイレクトプログラムサーチシステム)を搭載しています。
DX-7030に搭載されているU-TOC情報記録機能によってU-TOC設定されているプログラムでは絶対情報による高速サーチが検出できます。さらに全曲のトータルタイムや全曲数などの情報を認識しているため、高速かつ正確な検出が可能です。
電源トランスにはアイソボビンパワートランスを採用しており、回転サーボ、表示管駆動、オーディオ用電源など5つの専用巻線を備えることで相互干渉を可能な限り抑えています。
D/Aコンバーターが独立使用可能なD/Aモニター機能を搭載しています。
機器間電位差をシャットアウトするため、コアキシャル入力をリレーによって完全に切換えることでオプティカル入力時の外乱要因を排除し、高い純度での録音を可能にしています。
さらに無信号入力時にはデジタルインジケーターが点滅して知らせることで誤録音を防いでいます。
サブコード編集機能を搭載しており、スタートID、スキップID、エンドID、IDイレース、オート/スタートIDなどの編集が可能です。また、リナンバーによる曲番の並び直しやU-TOC情報の書き込みによる編集などが可能です。
トータル時間、1曲時間、残り時間、カウンター表示のディスプレー切換機能を搭載しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | DATデッキ |
走行系モーター | キャプスタン用:DCモーター ドラム用:DCモーター ローディング用:DCモーターx4 |
早巻時間 | 約40秒(120分記録済テープ) |
周波数特性 | 2Hz~22kHz ±0.5dB |
SN比 | 93dB |
ダイナミックレンジ | 92dB |
全高調波歪率 | 0.005%以下 |
ワウフラッター | 測定限界以下 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 27W |
最大外形寸法 | 幅440x高さ127x奥行370mm |
重量 | 7.6kg |
付属 | ワイヤレスリモコン |