KENWOOD DP-7050
¥59,800(1993年頃)
解説
高純度なD/A変換を目指し、様々な技術を投入して開発されたCDプレイヤー。
ハイプレシジョンマスタークロックをさらに発展させたアドバンスド・ハイプレシジョンマスタークロックを搭載しています。
従来のインバーター回路によるマスタークロックでは、インバーター回路自身がゲインを20~30dBもち、さらに発振回路を構成した場合、入力端子は高いインピーダンスとなるため、外部雑音が侵入しやすく、発振周波数の純度を低下させていました。
これに比べ、ディスクリート構成のハイプレシジョンマスタークロックでは、Modificational
Clapp発振回路はSource Follower回路が基本で、ゲインが1以下という特徴を持ってます。このため入力部に外部雑音が侵入した場合でも出力には増幅されず、通常の発振回路に比べ10~30倍優れた純度を得られています。
DP-7050に搭載されたアドバンスド・ハイプレシジョンマスタークロックでは、さらに改良が施されており、J-FET(ジャンクション・フィールド・エフェクト・トランジスタ)内部の微小なノイズの影響も抑えています。
D/Aコンバーターには微分直線性に優れたビットストリーム1ビットD/Aコンバーター(DAC7)を搭載しています。
CDのデータに対応して1ビットパルス密度を変えるPDM方式を採用することで高S/Nを獲得しており、このPDM波形を作り出すために、スイッチドキャパシタ積分器を使用し高密度のパルス生成に成功しています。
振動対策として、フロントパネルには3mm厚のアルミ材を使用し、シャーシ部も1.6mmの厚い鋼板をボックス状のベースにしたシャーシとツインビーム構造によるメカフロアとなっています。
さらに、背面パネルにも1.2mmの鋼板を使用し、ディスク盤面への音圧影響を抑えスピンドル動作をより安定したものにするために、アルミ材クランパーを採用しています。
また、メカニズム上部はアルミパネルで完全シールドし、インシュレーターにはφ60mmの大型のものを採用しています。
整流回路部に、整流専用コンデンサーとして大容量、大型ブロックケミコンを+−2系統、サーボ回路部、アナログ回路部各々専用に搭載し、余裕を持った電流供給でノイズ源との干渉を抑えています。
同相分除去率(CMRR)の高い高精度差動増幅回路をD/Aコンバーター直後の初段増幅部に採用しています。
グランド電位の急激な変化を抑えるAB-CLASSピックアップアクチュエーター駆動回路を搭載しています。
RF位相等価補償回路を搭載しており、AM/PMノイズの回り込みを見直し、位相ずれを防いでいます。
電源バックアップメモリーやリモコンで操作できるモータードライブアウトプットボリューム、最大80枚のデータが記憶可能なディスクファイル機能などを搭載しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
読取り方式 | 非接触光学式読取り(半導体レーザー) |
回転数 | 約200rpm~500rpm(CLV) |
周波数特性 | 4Hz~20kHz(EIAJ) |
SN比 | 105dB以上(EIAJ) |
ダイナミックレンジ | 100dB以上(EIAJ) |
全高調波歪率 | 0.001%以下(EIAJ) |
チャンネルセパレーション | 100B以上(EIAJ) |
ワウ・フラッター | 測定限界以下(EIAJ) |
出力レベル/インピーダンス | 固定出力:2Vrms/0.4kΩ(EIAJ) 可変出力:0V~2V(1.1kHz) |
ヘッドホン出力 | 20mW(16Ω) |
オプティカルデジタル出力 | -15dBm~-21dBm(発光波長660nm) |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力(電気用品取締法) | 18W |
外形寸法 | 幅440x高さ127x奥行318mm |
重量 | 6.8kg |
付属 | リモコン |