TRIO WX-111
¥34,900(1966年頃?)
解説
FM部に純電子式FMモノ⇔ステレオ自動切替装置を搭載したAM/FMマルチステレオトライアンプ。
FMモノ⇔ステレオ自動切替装置を搭載しており、ステレオ放送の場合は自動的に回路が切り替わります。
装置が純電子式のため、機械的に切替える方式と異なり、経年変化による性能劣化を抑えています。
イコライザー回路には、当時の真空管式アンプではまだ少なかった完全プリント配線化を採用しています。それと同時に、ヒーターは完全直流点火を施し、S/Nの改善対策を行っています。
この結果、交流点火方式に見られる真空管の内部ハムを無くすとともに、運搬中の衝撃などに対する安全対策が施されています。
高音域を損なう事なく雑音だけを除去するMPXノイズ・フィルターを開発・採用しています。
ダイヤル面のメーターは、従来のマジックアイのような経年変化が無く、半永久的に使えるものを採用しています。
また、付属するFM AFCスイッチにより、周囲温度の変化やアンプ自体の発熱などの影響を受ける心配がありません。
SCA放送に対処するため、ビート防止回路を搭載しています。
FMマルチ放送を録音してもビート障害がでないように特殊な回路を搭載しています。
その他にも、ヘッドホンジャック、ボディアース用専用ネジ端子、同時録音用端子などを搭載しています。
機種の定格
型式 | AM/FMマルチステレオトライアンプ | ||||
<チューナー部> | |||||
受信周波数 | FM:76~90MHz AM:535~1605kHz |
||||
感度(30%変調) | FM:2.5μV/84MHz(S/N 20dB) AM:20μV/1MHz(S/N 10dB) |
||||
実用感度(30%変調) | FM:5μV/84MHz(S/N 30dB) | ||||
イメージ比 | FM:30dB以上(84MHz) AM:40dB以上(1MHz) |
||||
FM周波数特性 | 20Hz~20kHz ±1dB | ||||
SN比(1mV入力) | FM:60dB以上(100%変調) AM:45dB以上(30%変調) |
||||
<FMマルチ部> | |||||
セパレーション | 35dB以上(400Hz) | ||||
歪率 | 1%以下(400Hz) | ||||
<オーディオ部> | |||||
出力(歪率 2%) | ミュージックパワー:14W(7W+7W) 連続出力:10W(5W+5W) |
||||
周波数特性 | 20Hz~20kHz ±1dB(出力500mW) | ||||
入力感度(出力5Wに要する1kHzの入力) | MAG:1.5mV AUX:220mV |
||||
ハイフィルター | 10kHz、-7dB | ||||
SN比(音量調整最大、 トーンコントロールフラット、出力5W) |
MAG:50dB以上 AUX:65dB以上 |
||||
残留雑音(音量調整最小にて) | 3mV | ||||
<総合> | |||||
付属回路 | FMモノ⇔ステレオ自動切替装置 FM AFC MPXノイズフィルター イコライザーアンプ直流点火 ステレオヘッドホンジャック ステレオインジケーター |
||||
使用半導体 |
|
||||
電源 | AC100V/117V、50Hz/60Hz | ||||
消費電力 | 130W | ||||
外形寸法 | 幅420x高さ150x奥行275mm | ||||
重量 | 10.5kg |