解説　

ステレオプリアンプ1台とモノラルパワーアンプ6台、周波数分割用フィルターの系8つの機器が一つにまとめられた最高級ステレオプリメインアンプ。
最高の物にだけ冠せられるサプリームと名づけられ、当時のトリオの回路技術を駆使して開発された機種で、一台一台をハンドメイドで作られています。

パワーアンプ部はITL-OTL方式の純コンプリメンタリー回路で、オールシリコントランジスタ構成となっています。
特に最高級グレードを目標に研究され、中出力以下では、低・中・高音アンプ共に0.05%以下という低歪を実現しています。
また、多量のNFBによりダンピングファクターも改善してます。

フィルター部はNF型で、12dB/octの減衰特性をもち、クロスオーバー周波数は低-中音で400Hz/800Hz、中-高音で2.5kHz/5kHzの切換えが可能です。
また、全チャンネルをフラットアンプとしても使用できるように、FLATポジションを設けており、このポジションもエミッター・フォロアーによる多量のNFBにより低歪に設計されています。

プリアンプ部は特にプロフェッショナルユースを主眼にした特性と機能をそなえるべく、トリオが誇る回路技術を駆使しています。
トーンコントロールには、NF型とCR型の長所を取り入れ、低音コントロールはターンオーバー、ロールオフ周波数可変型とし、高音は10kHzにおける増減をdBで表示しています。高音調整は、ターンオーバー、ロールオフ店を切替可能です。
また、トーン回路を完全にフラットにするディフィート・スイッチを搭載しています。

イコライザー回路は低出力なMCカートリッジを直接接続できる低入力端子を特に設けてあり、ステップアップトランスやヘッドアンプの必要をなくしています。
また、この低入力端子は前面カバー内のスイッチにより通常の入力レベルに切替え可能です。
ハンドメイドの特徴を生かし、音質に大きな影響を及ぼすイコライザーは1台毎に完全調整を施してます。

機種の定格

型式	フィルター内蔵・ソリッドステート・ステレオプリメインアンプ
<パワーアンプ部>
回路方式	オールシリコントランジスタによる OTL、ITL方式コンプリメンタリー回路
ミュージックパワー	低音用:80W 中音用:50W 高音用:26W
実効出力(歪 0.5%)	低音用:30W/30W 中音用:20W/20W 高音用:10W/10W
出力帯域幅	低音用:15Hz～60000Hz -3dB
周波数特性	低音用:10Hz～100000Hz +0 -0.5dB 中音用:100Hz～100000Hz +0 -0.5dB 高音用:1000Hz～100000Hz +0 -0.5dB
歪率	低音用 25W/25W:0.07% 5W/5W:0.05% 0.1W/0.1W:0.05% 中音用 15W/15W:0.05% 1W/1W:0.05% 0.1W/0.1W:0.05% 高音用 8W/8W:0.05% 1W/1W:0.05% 0.1W/0.1W:0.05%
ダンピングファクター (低・中・高音アンプ共)	8Ω負荷:40 16Ω負荷:80
SN比(低・中・高音アンプ共)	90dB以上
<フィルター部>
回路方式	NF型、12dB/oct
クロスオーバー周波数	低中音:400Hz、800Hz、フラット 中高音:2.5kHz、5kHz、フラット
歪率(低・中・高音共)	0.03%(出力300mV時)
SN比(低・中・高音共)	90dB以上
<プリアンプ部>
トーンコントロール回路方式	NF型、トーンディフィート機能搭載
低音コントロール	ターンオーバー/ロールオフ:150Hz、250Hz、500Hz、800kHz、6dB/oct
高音コントロール	10kHz:±3dB、±6dB、±9dB、±12dB ターンオーバー/ロールオフ:2kHz、5kHz切替
ローフィルター	12dB/oct、40Hz、80Hz切替
ハイフィルター	12dB/oct、6kHz、9kHz切替
入力端子/利得 (定格出力に必要な入力電圧)	Phono1:2mV Phono2:0.1mV(Low)、2mV(High) Tuner、AUX:200mV
SN比	Phono1、2 High:70dB Tuner、AUX:90dB
周波数特性	AUX:20Hz～50000Hz ±0.2dB
イコライザー	RIAA、NAB
イコライザー偏差	標準カーブに対し ±0.2dB以内
テープ端子	Tape Rec、Tape Play共に前面後面パネルの両方に設置 DINコネクター搭載(後面)
位相切換スイッチ	TRによる位相変換方式
<総合>
使用半導体	トランジスタ:65個 ダイオード26個
外形寸法	幅428x高さ162x奥行355mm
重量	16.5kg