オーディオの足跡

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L-02Aの画像
 解説 

トリオが誇る2つのスピーカードライブ理論を合体して開発された独自のダイナミック・リニアドライブ・サーキットを搭載したプリメインアンプ。

低インピーダンスの負荷に対しても安定した出力を発揮するダイナミックパワーサプライと、スピーカーの制御能力に優れ、スピーカーの入力端子での性能を保証するΣドライブ理論を合体した、ダイナミック・リニアドライブサーキットを搭載しています。
ダイナミック・リニアドライブサーキットは、出力部にローパワーアンプとハイパワーアンプの2つのアンプを持たせたもので、信号の大部分を低歪率な高品質ローレベルアンプで処理しています。このローレベルアンプの受持ちは約50Wまでで、このアンプを170W出す事ができる巨大な電源で駆動することで、スピーカーの負荷変動にも影響されない良好な特性を得ています。またハイパワーアンプは、低歪を維持しつつピーク信号が通過するごく短い瞬間のみ動作するため、発熱量は少なく内部損失も殆どありません。
これにより、ハイパワーアンプで問題となっていた中小レベル時のクオリティを犠牲にせず、小出力から大出力まで高音質を実現しています。
さらにトリオ独自のΣドライブ方式により、スピーカー実装時の歪を少なく抑え、スピーカーケーブルの先端においても高いダンピングファクターを実現しています。

イコライザーアンプ部には、MCカートリッジ用、MMカートリッジ用に入力部の差動回路とNF素子をそっくり差換える独自のデュアルヘッド・イコライザーアンプを搭載しています。
出力インピーダンスが低いMCカートリッジ用には、バイポーラトランジスタを4パラレル差動としたカスコード負荷による入力回路、また出力インピーダンスの比較的高いMMカートリッジ用には、Hi-gmFETを差動としたカスコード負荷による入力回路を差換えて使用しています。
これにより、カートリッジの特性に合った入力素子を選択でき、さらにMM/MC各専用イコライザーと全く同じ効果が得られ、MM/MCほぼ同量の負帰還量をかけられ低歪率を実現でき、そして専用イコライザーアンプの2回路文を1回路に凝縮できることで、回路性能を徹底的に追求できるなど、様々なメリットを得ています。
また、基本増幅部は、低電流回路を多様し、各バイアス電圧の安定度を高めてCMRRやSVRRなどの諸特性を改善した3段差動増幅回路を採用しており、ファイナル段はHi-ft電力増幅用トランジスタによる2段ダーリントン・コンプリメンタリー出力回路となっています。さらにAクラス段、Bクラス段ともに独立した整流回路を持つイコライザー専用電源として、出力回路の電流変化による悪影響が前段におよぶのを防いでいます。

アンプの入力波形と相似形をした信号でスピーカーをドライブするという目的に向けて開発されたΣドライブ方式が採用されています。
これにより、たとえ数mの接続ケーブルを使用しても、スピーカー入力端子で波形の変形が発生せず、忠実な波形でのスピーカードライブを実現しています。

低インピーダンス負荷でも優れたドライブ能力を得るため、ダイナミック・パワーサプライが採用されています。
L-02Aでは片チャンネル36,000μFの大容量ケミコンと巨大電源トランスを用いたダイナミックパワーサプライにより、2Ω負荷でも電流リミッターが動作せず、スピーカードライブ能力を向上しています。

パワーアンプの電源部は左右2電源方式を採用しており、片チャンネル毎に大容量ケミコンと巨大VAのトランスを採用しています。これによりダイナミッククロストーク(電源部を介した左右チャンネル間の漏れ)の発生を抑えると同時に、低インピーダンス駆動時でもハイパワーを維持します。
さらに電圧増幅段は専用巻線による独立電源とし、電力増幅段からの影響を排除しています。そして、信号レベルの小さな初段差動増幅回路には、定電流+定電圧素子によるデカップリング回路を設け、電圧増幅回路内での干渉も排除しています。

パワーアンプ部の回路構成は、初段はワンチップ・デュアルFETを用いた差動増幅回路、2段目は高調波特性に優れたデュアルFETを用いて高い高周帯での不要な位相回転を防ぎ、オープンループ時の周波数特性を拡大して、スイッチング歪やクロスオーバー歪の発生を抑制、出力段はパラレルプッシュプルのDCアンプとなっています。

各ブロックの配置を厳密に設計し、後段から前段への静電的または電磁的な戻り現象を防ぐため、信号の流れにそって各ステージを配置しています。さらに、各ステージ別に完全にシールドして戻り現象を排除しています。
さらに、電源トランスは別筐体に設置することで隔離しています。

パワートランジスタを大型放熱器に取り付け、さらに放熱器を支えるフレームやシャーシは通常の1.6倍の厚さを使い、振動に強い構造としています。
また、前面パネルは4mmと6mmのダブルパネル、ケースについても4mm厚のアルミを採用し、ハウリングを防いでいます。

4トランス・8電源の各々についてトランスの構造、巻線の状態、シャーシの取付け、結線などの全てをΣドライブ理論にそって設計しており、各アース間に電位差を発生させないよう配慮されています。
特にプリント基板上のパターンや配線においても、各アースが共通のインピーダンスを持たないようにして一ヶ所のアース基準点を明確化しています。

電源トランスは、複雑なコネクター配線を必要としないイージー・ドッキング方式を用いたセパレート電源となっています。
セッティングする棚の奥行きが足りない時などには、付属のワンタッチコンテクター・ケーブルで分離が可能です。

使用頻度の少ないコントロールツマミ類はスライド式電動コントロールボックス内に収納されています。
このコントロールボックスは超低雑音・低速高トルク直流コアレスモーターで駆動され、ワンタッチでスムースな開閉が可能です。
万一動作中に何かにぶつかったり、指を挟んだりした時には、動作が反転し、自己の発生を防ぎます。
また、コントロールボックスを引出した状態で電源スイッチをoffにした場合には、自動的にボックスが引き込まれてからパワーoffになる安全設計となっています。

機種の定格
型式 DLDサーキット・インテグレーテッドアンプ
定格出力(両ch動作) 170W+170W(8Ω、20Hz~20kHz)
250W+250W(4Ω、1kHz、THD 0.003%)
ダイナミックパワー 390W+390W(4Ω)
250W+250W(8Ω)
全高調波歪率(20Hz~20kHz)
tuner、Aux、Tape→SP端子: 0.003%(定格出力時、8Ω)
0.003%(1/2定格出力時、8Ω)
Phono→SP端子(Vol-20dB):0.004%(定格出力時)
混変調歪率(60Hz:7kHz=4:1) Tuner、Aux、Tape→SP端子:0.003%(8Ω)
周波数特性 DC~400kHz -3dB(Tuner、Aux、Tape→SP端子)
SN比(IHF-A、定格出力時、SP端子) Phono MM:91dB以上
Phono MC:73dB以上
Tuner、Aux、Tpae:110dB以上
サブソニックフィルター 18Hz、6dB/oct
ラウドネスコントロール
(Volume-30dB)
30Hz~100Hz連続可変
+3dB/+6dB/+9dB
ダンピングファクター(55Hz、8Ω) 10,000以上
ライズタイム 0.9μs
スルーレート ±150V/μs
入力感度/インピーダンス
(定格出力時、SP端子)
Phono MM:2.5mV/47kΩ
Phono MC:0.1mV/100Ω
Tuner、Aux、Tape:150mV/30kΩ
Phono最大許容入力
(1kHz、歪率0.0007%)
MM:350mV
MC:15mV
Phono RIAA偏差 20Hz~20kHz ±0.2dB
出力レベル/インピーダンス Tape rec(pin):150mV/430Ω
Pre out(最大出力):2V/600Ω
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
定格消費電力(電気用品取締法) 420W
電源コンセント 電源スイッチ連動:2系統、250W
電源スイッチ非連動:1系統、500W
外形寸法 本体:幅480x高さ183x奥行343mm
電源部:幅480x高さ181x奥行163mm
ドッキング時:幅480x高さ183x奥行482mm
重量 本体:17.5kg
電源部:17kg
ドッキング時:34.5kg