TRIO KA-990
¥79,800(1982年発売)
解説
DLD(ダイナミック・リニアドライブ)サーキットを採用したプリメインアンプ。
DLDサーキットは出力部にローパワーアンプとハイパワーアンプの2つのアンプを持った構造となっており、信号の大部分を歪率0.001%以下のローレベルアンプで処理しています。このローレベルアンプの受け持ちは約50Wまでで、このアンプを100W以上出せる電源で駆動するため、電源インピーダンスを低くすることができ、スピーカーの負荷変動にも影響されない良好な特性を得ています。
またハイパワーアンプは、ピーク信号が通過するごく短い瞬間だけのため、発熱量も少なく、内部損失もほとんど発生していません。
また、スピーカーの入力端子での性能を向上するため、Σドライブ方式を採用しています。
この方式によりスピーカーの入力端子での波形の変形を抑え、忠実な波形でスピーカーをドライブしています。
各ブロックごとのレイアウトを再検討しており、信号の流れにそって各ステージを配置しています。また、パワーアンプ内では大型放熱器でBクラス段とAクラス段をシールドしており、イコライザー段用には専用シールド板を設置するなど、相互干渉を抑える工夫がされています。
また、電源トランスもシールドし、電源フラックスなどの回路への悪影響をカットしています。
イコライザーアンプにはICL高GmFET差動入力とICを採用しています。
特に、音質に大きな影響を与えるアース回りは、直径0.26mmの単線を26本拠り合わせ、従来の6倍の断面積を持たせた線材を使用してます。
またMMとMC切換にはゲイン切換を採用しています。
トーンコントロールは専用ICを採用したトリオ方式のNF-CR型を採用しています。
機種の定格
型式 | DLDインテグレーテッドアンプ |
定格出力(両ch動作) | 105W+105W(20Hz~20kHz、8Ω) |
全高調波歪率 (20Hz~20kHz、8Ω) |
Phono→SP端子:0.007%(定格出力時) Tuner、AUX、Tape→SP端子:0.005%(定格出力時、1/2定格出力時) |
混変調歪率(60Hz:7kHz=4:1) | 0.005%(Tuner、AUX、Tape→SP端子、定格出力時、8Ω) |
周波数特性 | DC~200kHz-3dB(Tuner、AUX、Tape→SP端子) |
ダンピングファクター(100Hz) | 1000 |
入力感度/インピーダンス | Phono MM→SP端子:2.5mV/47kΩ Phono MC→SP端子:0.2mV/100Ω Tuner、AUX、Tape→SP端子:150mV/47kΩ |
SN比(IHF-A) | Phono MM→SP端子:88dB Phono MC→SP端子:70dB(250μV入力時) Tuner、AUX、Tape→SP端子:107dB |
トーンコントロール | Bass:100Hz±10dB(400Hz) Treble:10kHz±10dB(3kHz) |
ラウドネスコントロール | 100Hz +10dB(Volume-30dB) |
サブソニックフィルター(-3dB) | 6dB/oct(18Hz) |
ライズタイム | 1.7μs(Tuner、Aux、Tape→SP端子) |
スルーレイト | ±100V/μs(Tuner、Aux、Tape→SP端子) |
出力帯域幅(歪率0.02%、8Ω) | Tuner、AUX、Tape→SP端子:5Hz~50kHz |
Phono最大許容入力(Phono→Tape Rec、1kHz、THD0.005%) | MM:240mV MC:18mV |
Phono RIAA偏差 | ±0.3dB(Phono→Tape Rec、20Hz~20kHz) |
出力レベル/インピーダンス | Tape Rec Pin:150mV/330Ω |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
定格消費電力(電気用品取締法) | 260W |
電源コンセント | 連動:2系統100W 非連動:1系統400W |
最大外形寸法 | 幅440x高さ143x奥行383mm |
重量 | 10.7kg |