
TRIO 700M
¥300,000(1974年頃)
解説
サプリームシリーズのステレオパワーアンプ。
700Mは、NFBを外しだ状態でのあらゆるレスポンスにおける裸特性を充実させており、その上で適度なNFBをかけています。これによって高い信号レベルやインピーダンスの変動、歪などにも常に安定した動作を実現しています。
電源トランスには600VA以上の大容量トランスを採用しており、高磁束密度に強いオリエントコアを用いることでリーケージフラックスの少ないカットコアを実現しています。
また、大容量の工業用半導体12B20を用いた整流器と36,000μF/80WVの大容量電解コンデンサと相まって、レギュレーションの良い電源部を実現しています。
冷却機構には78mmx143mmx170mmの大放熱板を4本、空気流通の良い形に構成して配置しており、クーリングファンなどの付属部品をつけなくても長時間の連続動作でハイパワーを保証しています。
アンプ回路の終段にはバッファーステージを持ったトリプルプッシュプル接続を採用しており、大出力時でもhFEが高くリニアリティの良い範囲だけで3本のトランジスタを動作させているためhFE歪を減少しています。また、初段とA級ドライブ段の間にバッファーステージを入れることで歪や位相ズレを追放しています。
ドライブ段では裸特性を充実するためにブートストラップ回路を削除しており、低域時定数による歪もシャットアウトしています。これにより帯域外特性とか動特性、極小信号特性など、通常の測定には現れない諸特性も大幅に改善されています。
保護回路はASO検出、DC検出、ラッシュカレント防止の3重構成となっています。
トランジスタの保護にはASO検出によるリミッター方式プロテクションを、スピーカーの保護にはDC検出リレー方式プロテクションを採用しています。また、電源スイッチ回路にはサージ防止回路をつけて全回路が完全動作可能状態になるまでラッシュ電流を抑えています。
大型パワーメーターを搭載しています。
小出力レベルでも読み取りやすいように-20dB、-10dB、0dBおよびOFFの4段レンジ切換式となっています。
サブソニックフィルターには外部ノイズに強く歪の少ないダーリントン接続2電源方式のアクティブフィルターを採用しています。
スピーカー端子は3系統備えています。
入力レベルコントロールには安定度の高いロータリースイッチを採用しており、2dBステップで-20dBまで絞れます。
2系統の入力端子を備えています。
ウッドケースは別売りオプションでした。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
帯域保証実効出力(20Hz~20kHz) | 170W+170W(8Ω連続動作、THD0.1%) |
全高調波歪率 | 0.1%(8Ω、20Hz~20kHz、定格出力時) 0.05%(8Ω、1/2定格出力時) |
SN比 | 100dB(8Ω) 115dB(8Ω、IHF-Aカーブ) |
残留雑音 | 0.5mV(8Ω) |
入力感度 | 1V(170W出力、8Ω) |
入力インピーダンス | 50kΩ |
ダンピングファクター | 40(8Ω) |
定格負荷インピーダンス | 4~16Ω |
周波数特性 | 20Hz~20kHz +0 -0.5dB |
サブソニックフィルター | 12dB/oct(fc:18Hz) |
ACアウトレット | Switched:2系統 Unswitched:2系統 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力(電気用品取締法) | 350W |
外形寸法 | 幅440x高さ200x奥行360mm |
重量 | 27kg |
別売 | ウッドケース SR-700M(¥18,000) |