
TRIO 700C
¥220,000(1974年頃)
解説
サプリームシリーズのコントロールアンプ。
700Cでは裸特性を充実させてNFBを浅くかけることで音質向上を図っています。
また、全回路が2電源直結方式となっており、それぞれの回路が交流的・直流的に回路同士が互いに影響しあうことを排除しています。
イコライザー部は初段PNP差動増幅回路を採用しています。
直結5段、±50Vの高電圧を負荷した差動増幅回路となっており、最大出力30Vを達成し広ダイナミックレンジを確保しています。また、差動・直結回路を用いることで直流動作点を安定化させています。
バッファーステージを使用して安定化することでf特性・インピーダンス・増幅度などの諸特性を改善しています。
また、裸利得を大きくとることでRIAAカーブを安定化し、浅いNFBで済むようにしています。
メインボリュームには広い範囲でつまみの回転角度に対する音量の変化が一定した2dBステップのアッテネーターと15dB変化のアッテネーターの2段切換式を採用しています。この2つのアッテネーターを組み合わせることで約60dBの範囲で正確な2dBステップの直線コントロールが可能です。
電源部には定電圧電源を採用しており、ACラインの電圧などによる影響を排除しています。
また、電源ラッシュ防止回路と電源ONのショック防止用ミューティング装置を装備しています。
マイク用に直結ダーリントンA級マイクアンプを内蔵しており、イコライザーと切り離すことで音質向上を実現しています。
通常のロータリーセレクターの他にレバースイッチによるAUX/Tunerワンタッチ切換機能を備えています。
50kΩ・30kΩ・600ΩのPhonoインピーダンス切換機能を搭載しています。
7kHzと12kHzの切換式ハイフィルターを備えています。
テープモニタースイッチやラウドネスコントロールを搭載しています。
ローフィルターにはダーリントン回路によるアクティブフィルターで18Hzと36Hzでそれぞれ12dB/oct動作します。
サブソニックフィルターとしても使用できます。
トーンコントロールは差動型を採用しており、CR切換回路を用いてうねりを排除しています。
基本増幅回路は100Hz/10kHz(50Hz/20kHz)で2dBステップ変化となっています。また、ターンオーバーはBass/Trebleそれぞれ2段階切換式です。
ターンオーバースイッチをOFFにした時やコントロールつまみを0にした時は完全なフラットアンプになります。
ヘッドホン回路には直結ダーリントンのA級回路を採用しています。
機種の定格
型式 | コントロールアンプ | ||
最大出力電圧(1kHz、50kΩ負荷) | 8Vrms | ||
基準定格出力電圧 | 1.5Vrms | ||
全高調波歪率(1.5V出力、50kΩ負荷) | 0.04% | ||
混変調歪率 | 0.04% | ||
入力感度(1.5V出力時) | Phono1、2:1.5mV Tuner:150mV Aux1、2、3:150mV Tape play:150mV |
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SN比 | Phono1、2:70dB(5mV入力に対して) Tuner:85dB(150mV入力に対して) Aux1、2、3:85dB(150mV入力に対して) Tape play:85dB(150mV入力に対して) |
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入力インピーダンス | Phono1、2:50kΩ、30kΩ、600Ω切換 Tuner:150kΩ Aux1、2、3:150kΩ Tape play:150kΩ |
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出力インピーダンス | Tape rec(pin):4.7kΩ Tape rec(din):80kΩ Output:400Ω |
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最大入力電圧(Phono、1kHz) | 200mVrms | ||
周波数特性 | Phono1、2(RIAA偏差):±0.3dB Tuner:20Hz~20kHz +0 -0.3dB Aux1、2、3:20Hz~20kHz +0 -0.3dB Tape play:20Hz~20kHz +0 -0.3dB |
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トーンコントロール |
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ローフィルター | fc:18Hz、36Hz切換 12dB/oct |
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ハイフィルター | fc:7kHz、12kHz切換 6dB/oct |
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ラウドネスコントロール(Vol-30dB) |
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ヘッドホン出力 | 20mW/8Ω | ||
ACアウトレット | Switched:2系統 Unswitched:1系統 |
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電源 | AC100V、50Hz/60Hz | ||
消費電力(電気用品取締法) | 10W | ||
外形寸法 | 幅472x高さ177x奥行318mm(ケース込) | ||
重量 | 9.5kg |