Threshold T2
¥990,000(1994年頃)
解説
信号を高品位にコンディショニングすることを追求したプリアンプ。
入力から内部回路、出力まで、左右チャンネルの正負信号を特性の等しい4つのアンプで別個に増幅する完全バランス伝送を採用しています。これにより高いコモンモードノイズ・リジェクション能力を獲得しています。
合計4系統のゲイン回路は8個のJ-FETをトリプルカスコード接続によるコンプリメンタリー構成とし、フィードバックを抑えて高速な信号処理を可能にしています。さらに素子のマッチングや配置に留意した精密回路をフルカスコード接続の出力段に直結しており、多段にわたってアクティブレギュレーションを施すことで回路をノイズ要因の影響からシールディングしています。
ボリューム回路にはR2R精密抵抗ラダーネットワークによる12ビット60ステップのデジタル制御アナログ方式を採用しています。
この方式ではマイクロプロセッサーが音量変化を絶えず監視し、許容誤差の極めて小さい抵抗ラダーをリレーで切換える構造となっており、左右チャンネルの誤差を0.01dBという聴感上全く問題ない値を達成しています。
音量調整をはじめとしてT2の動作全体の監視・制御にマイクロプロセッサーを採用しています。
このプロセッサーはプログラマブルロジックデバイス2個にサポートされながら高精度抵抗リレーに指令を送ります。
入力の切替から入力ソース名の表示、音量レベル、ミュート等のステータス表示至る様々な機能を総合的に管理しています。
6系統のアンバランス入力と2系統のバランス入力を備えています。
デジタル部とアナログ部は相互干渉を極力抑えるようそれぞれ別個にレギュレーションされています。
電源部には150Wトロイダルトランスと50,000μFキャパシターで構成されており、別シャーシへ収納することで本体とのアイソレーションを図っています。
150W定格のトランジスタによって正負レールそれぞれをアクティブにレギュレートしており、ゆとりのある電源設計によってダイナミズム損失や接続ケーブルによる影響の少ない安定した動作を実現しています。
さらに、本体側にも10,000μF電源キャパシターと、これをバイパスする小型キャパシターを2つ設け、かつ左右チャンネルを別個にアクティブレギュレートしています。
各基板は配線材を介さず金メッキピンアッセンブリでダイレクトに接続し、伝送特性を総合的に改善しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
リモコンが付属しており、リスニングポジションでの操作が可能です。
機種の定格
型式 | コントロールアンプ |
入力インピーダンス | アンバランス:10kΩ バランス:20kΩ |
出力インピーダンス | アンバランス:25Ω バランス:50Ω |
最大出力レベル | 10V(THD 0.0008%、1kHz) |
ゲイン | 15dB |
歪率(THD) | 0.01%以下(アンバランス時、20Hz~20kHz) |
周波数特性 | DC~200kHz -1dB |
SN比 | 118dB以上 |
クロストーク | 90dB(20Hz~20kHz) |
入力端子 | アンバランス(6系統):カスタムメイドRCA金メッキ仕上げ バランス(2系統):ノイトリック製XLRコネクター |
出力端子 | アンバランス(2系統):カスタムメイドRCA金メッキ仕上げ バランス(2系統):ノイトリック製XLRコネクター |
レベルコントロール | 12ビット60ステップ・デジタル制御型アナログ方式 |
極性 | 非反転 |
電源ユニット | 150Wトロイダルトランス デジタル/アナログ部独立レギュレーション |
消費電力 | 60W |
外形寸法 | 本体:幅440x高さ95x奥行360mm 電源ユニット:幅220x高さ95x奥行320mm |
重量 | 本体:8kg 電源ユニット:5kg |
付属 | リモートコントローラー |