Threshold FET10e/hl
¥1,000,000(1990年発売)
解説
信号経路のシンプル化と音質の純化を追求したコントロールアンプ。
FET10e/hlは5系統のプログラムソースと2系統のテープに対応しています。
また、1系統はフォノステージもしくはCDをバランス入力に接続することができ、パワーアンプの入力までバランス接続のまま送る事が可能です。
バランス/アンバランス動作は、接続することによって自動的に切り換わります。
ゲインステージにはチャンネルあたり2個で差動ペアを構成したJ-FETを使用しており、これにアクティブ電流ソースでバイアスをかけることによって単一の素子で構成する場合に比べてノイズを低く抑えつつ、いかなる信号の状態においてもクラスA動作を維持できる設計としています。
入力された信号はMOS-FETを用いた回路によって増幅され、コンプリメンタリー回路を経て出力に送られます。
FETは全て厳密にマッチングをとり、スレッショルド独自のテスト装置によってチェックしたものを厳選して採用しています。
また、その他の部品についても世界中から選りすぐったものだけを採用しており、特に数少ないキャパシターにはフィルムタイプ、抵抗素子にはメタルフィルムタイプを使用しています。基板は全てミリタリーグレードのガラスエポキシ製となっており、接点は全て金メッキ処理が施されています。これらの部品は音質に影響の無い外観上に問題があるだけでもリジェクトし、徹底した選別がされています。
30,000μFの容量を誇るコンピューターグレード・キャパシターや、大型トロイダルトランス、各チャンネル独立のディスクリート・クラスA電圧レギュレーターから構成される電源部を別ユニットとして分離し、電源部による変調といったオーディオ系への影響を防いでいます。
機種の定格
型式 | ラインレベルアンプ | ||||||||||||||||
周波数特性 | アンバランス(ボリューム最大、25Ωソース) 10kΩ負荷:100kHzにて-0.2dB 300kΩ負荷:100kHzにて-0.2dB アンバランス(ユニティゲイン、25Ωソース) 10kΩ負荷:100kHzにて-0.3dB 300kΩ負荷:100kHzにて-0.3dB バランス(入力-テープ出力、600Ωソース) 10kΩ負荷:100kHzにて-0.3dB 300kΩ負荷:100kHzにて-0.3dB |
||||||||||||||||
クロストーク |
|
||||||||||||||||
歪率 | ハイレベル段(20Hz~20kHz) 10kΩ:0.007%(8V RMS) 300Ω:0.010%(4V RMS) バランス入力~テープ出力(20Hz~20kHz) 10kΩ:0.005%(2V RMS) |
||||||||||||||||
SN比 | ハイレベル出力(ランダムノイズ、20Hz~20kHz) -94dBV(20μV、-112dB基準、フル出力) バランス入力(ランダムノイズ、20Hz~20kHz) -110dBV(3μV、-128dB基準、フル出力) |
||||||||||||||||
ゲイン | アンバランス入力-メイン出力(ボリューム最大、25Ωソース) 10kΩ負荷、1nFゲイン=10.68=20.57dB 300Ω負荷ゲイン=6.42=16.15dB バランス入力-メイン出力(ボリューム最大、50Ωソース) 10kΩ負荷、1nFゲイン=10.68=20.57dB 300Ω負荷ゲイン=6.42=16.15dB バランス入力-テープ出力(ボリューム最大、50Ωソース) 10kΩ負荷、1nFゲイン=1=0dB 300Ω負荷ゲイン=0.60=-4.42dB |
||||||||||||||||
入力インピーダンス | バランス入力:40kΩ アンバランス入力:10kΩ |
||||||||||||||||
出力インピーダンス | アンバランス入力-テープ出力:100Ω+ソースインピーダンス バランス入力-テープ出力:200Ω メイン出力(アンバランス):100Ω メイン出力(バランス):200Ω |
||||||||||||||||
外形寸法 | 本体:幅482x高さ52(脚含む)x奥行279mm(ノブ先端~コネクター末端) 電源部:幅130x高さ52(脚含む)x奥行152mm |
||||||||||||||||
重量 | 本体:約2kg 電源部:約1kg |