
THORENS TD147
¥150,000(1983年発売)
解説
長年にわたるトーレンスの技術が凝縮されたベルトドライブ式レコードプレイヤー。
トーレンス独自のベルトドライブ方式を採用しています。
この方式ではモーターの回転を定電圧化して行うため非常に安定した回転が得られます。さらに、TD147では加速クラッチを採用しており、ベルトの伸びを防止し、規定回転速度に達するまでの立ち上がり時間を短縮すると共にシャーシの不要な振動を除去しています。
シャーシ構造にはフローティング・サスペンション・システムによる二重シャーシ構造を採用しています。
ターンテーブルとトーンアームをスプリングを用いてプレイヤー本体から浮かせており、モーター及び外部からの振動を分離させることで高いS/Nとハウリングマージンを実現しています。
トーンアームにはTD126mkIIICなどにも採用されたTP16を搭載しています。
TP16では、低実効質量を実現するため、トーンアームから不要な重量物を取り除くという基本的なやり方を採用しています。さらに、ラテラルバランスの補正が不要で、ねじれに対する強度や加工精度が高いストレート形アームの特徴を活かし、ヘッドチューブのジョイント部をアームの回転部の近いところに設けるなど、音溝に対する追従性を高めています。
また、トーンアームチューブにはスプリット・ウェーブ・テクノロジーによる特殊表面処理が施されており、不要な共振を吸収させています。
無接触オートシャットオフ機構を搭載しています。
このメカニズムは、レコード最内周の無音溝(リード・アウト・グループ)部分のトーンアーム移動速度が音溝トレース時より速いという点に着目して開発された回路で、電子的にその速度を検知してシャットオフしています。
機械的なスイッチ動作が無いため、トーンアームの性能に悪影響がありません。また、キューイング中や手動でトーンアームを操作する場合にはオートシャットオフ機構が作動しない構成となっています。
機種の定格
型式 | レコードプレイヤー |
<ターンテーブル部> | |
駆動方式 | ベルトドライブ方式、2速度 |
駆動モーター | 16極シンクロナスモーター(加速クラッチ式) |
回転数 | 33・1/3、45rpm |
モーター速度制御 | 電源周波数同期 |
ターンテーブル | 30cm非磁性亜鉛合金製、3.2kg |
ワウフラッター | 0.04%以下(DIN45507) |
SN比(DIN45539) | 52dB(アンウェイテッド) 72dB(ウェイテッド) |
<トーンアーム部> | |
型式 | ダイナミックバランス型(TP16) |
実効長 | 230mm |
実効質量 | 7.5g |
オーバーハング | 14.4mm |
オフセット角 | 22゜ |
ラテラルトラッキングエラー | 0.18゜/cm radius以下 |
カートリッジ取付ピッチ | EIAスタンダード |
ケーブル容量 | 190pF±10% |
<総合> | |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 5W |
外形寸法 | 幅445x高さ170x奥行360mm |
重量 | 11kg |