Technics SB-E500
¥350,000(1台 1978年頃)
解説
SB-10000で培われたノウハウを磨きをかけて完成させた4ウェイリニアフェイズスピーカーシステム。
低域には38cmのコーン型ウーファーを採用しています。
針葉樹パルプを主成分とした高剛性ストレートコーンを採用することでピストンモーション域を拡大しています。
また、75mmの大口径ボイスコイルに高硬度ゴムリングを取り付けてボイスコイル自体の共振を制動するとともにコーン紙との接合部も補強し、高域に発生しやすいピークを抑制しています。
中低域にはホーン型ユニットとのスムーズなつながりを考慮して開発した25cmのコーン型ユニットを採用しています。
シンプルな組成の軽量コーンの採用とエッジワイズボイスコイルにより、97dB/W/mの高能率を実現しており、さらにコーン形状はカーブドコーンとして再生高域限界を伸長しています。
中高域には150゜広開口角で開くテーパードフレアラジアルホーンのユニットを採用しており、トゥイーターとともにホーンスピーカーとしては優れた指向特性を実現しています。
また、高精度5重スリットのイコライザとホーン部との間にカットオフ周波数の異なるスロート部を設けたカスケードタイプとし、エネルギー特性を平坦化しています。
ドライバー部は60mm口径、30μm厚のチタンダイア負ラムを、磁束密度19000ガウスの磁気回路でドライブしています。
ボイスコイルにはCCAWを採用し、高耐熱設計としています。
高域には喉元から150゜の広開口角で開くテーパードフレアラジアルホーンを採用しています。
振動版とのギャップに高い精度が要求されるイコライザにはシェル型イコライザを採用し、可聴域を超える高域までクリアな再生を計っています。
ドライバー部には25mm口径のアルミドームをボロン化合物でコーティングした、アルミボライド代や負ラムを採用し、再生高域限界を23kHzの可聴域外まで伸ばしています。
スピーカーの位相特性を管理するため、リニアフェイズネットワークを採用しています。
エンクロージャーは大容量170Lとし、高密度パーチ来るボードを用いた堅固な構造となっています。
また、エンクロージャー中央部を一枚板で側板、バッフル板、そして裏板のそれぞれを結合して各所の振動モードが最小になるように補強しています。
仕上げはローズウッドのオイルフィニッシュとし、局面を生かしたデザインを採用しています。
機種の定格
方式 | 4ウェイ・4スピーカー・リニアフェイズバスレフ方式 ・フロア型 |
使用ユニット | 低域用:38cmコーン型 中低域用:25cmコーン型 中高域用:ホーン型 高域用:ホーン型 |
インピーダンス | 8Ω |
出力音圧レベル | 93dB/W/m |
許容入力 | 150W(DIN RMS) 300W(MUSIC) |
クロスオーバー周波数 | 350Hz、1500Hz、8500Hz |
外形寸法 | 幅720x高さ1030x奥行560mm |
重量 | 80kg(ネット付) |