オーディオの足跡

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 解説 

ハニカム振動板に加え、特殊形状リニアダンパーや新磁性流体を採用することでパワーリニアリティの向上を図った3ウェイスピーカーシステム。

各スピーカーユニットの振動板には、軽くて剛性の高いハニカム平面振動板を採用しています。
平面振動板は、コーン型スピーカーのコーン前面のくぼみで発生する空気の共振(前室効果)を解消しつつ正確なピストンモーションを得るため、アルミニウム合金を素材とするハニカム構造体を用いた平面構造を採用しています。これにより剛性は紙コーンの1000倍~1500倍を実現しており、大入力時の変形による歪発生や、経年変化・温度変化などによる特性劣化がありません。
平面振動板では、中心を駆動した際にある特定の周波数で全く動かない部分(=節)が発生してしまう問題があります。これを解消するため、節となる点にボイスコイルをつないでドライブする節ドライブを採用しています。この節ドライブによって共振モードが打ち消され、ピストンモーション域を拡大しています。
さらに、振動板の形状や周波数によって節の表れ方が異なる問題に対処するため、ハニカムの密度が中心部に向かうほど高くなる独自の軸対称ハニカムを採用しています。これにより、左右の強度差を解消することで節を真円にさせ、一つの円形ボイスコイルでの節ドライブを可能にしています。

低域には33cmハニカム平面型ウーファーを搭載しています。
このウーファーには独自のリニアダンパーを採用しており、低域のパワーリニアリティを改善しています。このダンパーはボイスコイルの直線運動を支持する力が通常ダンパーの10倍以上あるため、ローリングの発生を極小化し、大入力時にもリニアリティを向上させ、通常ダンパー時に比べ約3倍のパワーリニアリティを得ています。
磁気回路には直径145mm、重量1kgの大型・強力マグネットにより高能率化を実現しています。さらにボイスコイルボビンにはポリイミド系樹脂積層フィルムを採用し250℃の高温にも耐える高耐入力設計となっています。
このユニットは3kHzまでのピストンモーションが可能ですが、1kHzでクロスオーバーして使用した余裕のある設計となっています。

中域には8cmハニカム平面型スコーカーを搭載しています。
テクニクス独自の節ドライブを採用することで10kHzまでの広帯域ピストンモーション再生を実現しています。さらにエッジ部にはダウンロールエッジを採用しており、エッジとエッジカバーの間の空気のコンプライアンス、振動板とエッジカバーの隙間の空気質量の両者をコントロールし、振動板の2次共振による特性のピークを解消しています。
また、ボイスコイルとポールピースのエアギャップを極限まで狭めることで、高能率化を実現しています。さらに、ポリイミド系フィルムボイスコイルボビンや高耐熱ボイスコイルにより耐入力も改善しています。

高域には2.8cmハニカム平面型ツィーターを搭載しています。
このツィーターのボイスコイルとポールピース、ヨークの隙間には磁性流体が充填されており、ボイスコイルで発生した熱をポールピースやヨークなど熱容量の大きなものに逃がすことで放熱効果を大幅に向上させています。これにより高耐入力を得るとともに、インピーダンスの安定化を図り、優れたパワーリニアリティを得ています。また、磁性流体は不要低域を抑えるダンパーとしても働き、ツィーターの低域共振を従来の1/3~1/4に抑えています。
17,500gaussの高磁束密度を持つ磁気回路によって高能率を実現しています。また、ツィーター前面に特殊形状イコライザを装備することで周波数特性のフラット化を図っています。

ネットワーク部には性能や信頼性の点で十分に吟味された素子を採用しています。チョークコイルのコアには低ロス・低歪のフェライトコアを採用し、ツィーター用回路には高域特性の劣化を防ぐメタライズドポリエステルフィルムコンデンサをそれぞれ採用しています。
また、各ユニット間のクロストークを最小限にするため、部品配置にも配慮が加えられています。

ツィーターにはインジケーター付きサーマルリレー保護回路を搭載しており、過大入力や異常信号によるユニット破壊を防いでいます。
サーマルリレー作動時にはインジケーターが点灯します。また、フロントパネルのリセットボタンによってワンタッチで復帰が可能です。

ツィーターとスコーカーにそれぞれ独立したアッテネーターを搭載しています。

エンクロージャーにはバスレフ方式を採用しています。
バスレフポートには特殊形状のバスレフポートを採用しています。これは、エンクロージャー内の定在波を表に出さないために一体成型となっています。また、内面を平滑仕上げとすることでポート内空気移動時の摩擦ロスを減少しています。
板材には高密度パーチクルボードを採用しており、バッフル板は20mmでその他の部分は18mm厚となっています。また、木組みには高度な木工技術による三方Z止めを採用しており、経年変化に強い構造となっています。

別売りオプションとしてスピーカースタンドがありました。

機種の定格
方式 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型
ユニット 低域用:33cm平面型
中域用:8cm平面型
高域用:2.8cm平面型
周波数特性 30Hz~35kHz -16dB
40Hz~33kHz -10dB
出力音圧レベル 93dB/W/m
インピーダンス
許容入力 180W(Music)
90W(Din)
クロスオーバー周波数 1kHz、4kHz
外形寸法 幅380x高さ670x奥行325mm
重量 21.5kg
別売 スピーカースタンド SH-330(2本1組、¥15,000)