オーディオの足跡

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SB-311の画像
 解説 

SB-1000で得たノウハウを投入して低歪化を図ったスピーカーシステム。

低域には25cmコーン型ウーファーを搭載しています。
このユニットの振動板にはTCコーンの低歪化を進めた新TCコーンを採用しています。TCコーンはヤング率の高い材料で内部損失の大きな材料を挟み込む事で3層1枚の振動板に抄造したもので、分割振動を抑える効果を持ってます。新TCコーンではこの構造の外装部に新しくハイクリスタリンファイバー(HXF)を採用しており、カーボンファイバーに比べて抗張力2倍、比重0.75倍、機械損失が約2倍も大きく設計できています。
また、磁気回路のポールピースとプレートのボイスコイル近接部に渦電流発生を抑える磁性材料を使用しており、エネルギー変換の端緒における低歪化を図っています。これによりボイスコイルに流れる電流歪を大幅に減少させ、100Hzから3kHzの周波数範囲の第3次高調波歪を従来に比べて20dBも低下させています。
ボイスコイルには、コイル巻き幅をプレート幅8mmに対し15.8mmと大きくとったロングトラベルタイプを採用しています。これにより大入力、大振幅時にもボイスコイルは一定磁束内でドライブされ、漏洩磁気によるリニアリティ損失を極小に抑えています。また、ボイスコイルボビンには50ミクロン硬質アルミ箔を使用しており、耐入力改善を図っています。

中域には3.2cmドーム型ミッドレンジを搭載しています。
このユニットのダイアフラムにもTC構造を採用しており、異常共振や分割振動の発生を抑え低歪化を実現しています。また、32mmφまで口径を絞り込むことで指向特性を向上しています。
有孔ポールピースとバックキャビティを採用しており、ダイアフラム後部の空気をバックキャビティに導くことで空気圧による歪を解消するとともに最適のアコースティックロードを印加しています。これにより32mmφの小さなダイアフラムで低域共振周波数650Hzを実現しています。バックキャビティの吸音材には直径1.25ミクロンのグラスウールを採用しています。

高域には1.3cmドーム型トゥイーターを搭載しています。
ダイアフラムにはアルミ蒸着ポリエステルフィルムを使用しており、7kHzから20kHzにわたって安定した広指向性と過渡特性を得ています。また、ボイスコイルには軽量CCAW(銅被覆アルミ線)を採用しており、振動系重量を軽量化することで高域限界を伸ばしています。

エンクロージャーは板厚18mmの密閉構造となっています。また、外観はウォルナットのオイル仕上げが施されています。

リアバッフルにレベルコントロールを搭載しています。

機種の定格
方式 3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型
使用ユニット 低域用:25cmコーン型
中域用:3.2cmドーム型
高域用:1.3cmドーム型
周波数特性 35Hz~20kHz
インピーダンス
出力音圧レベル 90dB/W/m
最大入力 40W
外形寸法 幅325x高さ570x奥行258mm
重量 19kg