Technics SL-P990
¥89,800(1988年頃)
¥83,400(1989年4月1日改定)
解説
新開発の4DAC・18bit変換システムを採用したCDプレイヤー。
D/A変換部には4DAC・18bit変換システムを採用しています。
この回路では、LchとRchにそれぞれ正信号側専用のD/Aコンバーターと負信号側専用のD/Aコンバーターを用いた4DAC構成とし、各成分をD/A変換して差動アンプで合成しています。この時、新開発の4DACプロセッサLSIでプラス/マイナス信号をの判別及び切換え動作を行うことで、ゼロクロス点の段差によるゼロクロス歪を原理的にシャットアウトしています。
また、デジタルフィルターには266次の高精度18bit4倍オーバーサンプリングデジタルフィルターを採用しており、16bit2倍オーバーサンプリングの出力波形に比べて、出力レベルで4倍、時間軸で2倍の分解能を獲得しています。
サンプルホールド回路、ラインアウト回路、ヘッドホン回路にclassAA方式を採用しており、複雑な負荷に対しても忠実な波形伝送を実現しています。
スピーカーから伝わる音圧振動を低減するため、メタルシャーシ、特殊制振シート、TNRC(テクニクス・ノンレゾナンス・コンパウンド)の異種素材から成る多層構造ベースと、多層構造天板を採用しており、高い防振効果を獲得しています。
また、床からの振動を低減するため、4つの大型イシュレーターでプレイヤー本体に伝わる振動を低減し、さらに光学デッキをダブルフローティングさせる多重インシュレーター構成としています。
CDプレイヤー内部の振動源となる電源トランスにもフローティングを施すことで、トランスの振動が外部に伝わるのを防いでいます。
オーディオ系とデジタル系にそれぞれ専用の電源トランスを採用しており、変動の激しいデジタル回路やサーボ回路で発生したノイズがオーディオ回路に混入するのを防いでいます。
また、オーディオ回路用の電源にはローノイズアクティブサーボ電源を採用しており、安定した電源供給を実現しています。
光と同軸のデジタル出力端子を搭載しています。また、前面パネルにデジタル出力ON/OFFスイッチを搭載しています。
2スピード・サーチダイヤルを搭載しており、正逆両方向に微細な頭出しが可能です。1回転あたりの再生速度は約1秒(slow)と約30秒(fast)の2モードが選べ、最小で1/25秒単位でアクセスができます。
20キー操作によるダイレクトアクセス機能を搭載しています。
デジタルピークサーチを搭載したエディットガイド機能を搭載しています。また、A-B間のデジタルピークサーチも可能です。
左右各20セグメントの大型2チャンネルデジタルレベルメーターを搭載しています。
プレイングポジションディスプレイを搭載しており、ディスクのトータル時間と演奏曲の位置を同時表示できます。
オートキュー、32曲ランダムプログラム、ランダムプレイ、1曲/全曲/プログラム曲/A-B間リピート、プログラマブル・ミュージックスキャンなどの機能を搭載しています。
ノーマル/ランダム/プログラムの3モードが選択できるタイマープレイ機能を搭載しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | マルチCDプレイヤー |
<オーディオ部> | |
チャンネル数 | 2チャンネルステレオ |
出力電圧 | 2.5Vrms(EIAJ) |
周波数特性 | 2Hz~20kHz ±0.3dB(EIAJ) |
ダイナミックレンジ | 100dB以上(EIAJ) |
SN比 | 113dB以上 |
全高調波歪率 | 0.0025%以下(1kHz、EIAJ) |
高調波歪率 | 0.0013%以下(1kHz、0dB、10次までの高調波成分) |
チャンネルセパレーション | 110dB以上(EIAJ) |
ワウ・フラッター | 測定限界以下 |
ローパスフィルター | 4fs266次デジタルフィルター |
<信号フォーマット> | |
標本化周波数 | 44.1kHz |
誤り訂正方式 | テクニクス・スーパー・デコーディング・アルゴリズム |
複合化 | 16ビット直線 |
<ピックアップ> | |
方式 | FF-1 |
光源 | 半導体レーザー |
波長 | 780nm |
<トラバース> | |
方式 | ハイスピードリニアアクセスシステム |
<総合> | |
ヘッドホン出力レベル | 最大60mW/32Ω(可変) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 20W |
外形寸法 | 幅430x高さ129x奥行333mm |
重量 | 11.6kg |
付属:ワイヤレスリモコン EUR64711 | |
機能 | 41キー |
使用乾電池 | 単3乾電池1.5Vx2 |