
Technics SL-P50
※受注生産品
¥800,000(1984年頃)
解説
プロフェッショナル用CDのプレイヤーとして設計されたSL-P50Pを一般用に仕様改定したCDプレイヤー。
メカニズム部には独自のオプティカルデッキユニットを採用しています。
レーザーピックアップ、トラバースメカニズム、モーター、ターンテーブルの全てを精密アルミダイカストブロックとアウトサーと基板に一体化する事で高精度デッキユニットを実現しています。
外部振動に強いアンチショックサスペンション機構を採用しており、120dBの大音圧下でも安定した動作を可能にしています。
デジタル信号処理回路はC1独立2重訂正とC2独立2重訂正に、C1/C2独立の誤り訂正漏れ対策用オリジナル回路を付加した構成となっています。
独自のテクニクススーパーデコーディングアルゴリズムの採用により、優れた訂正能力を備えています。
D/A変換部にはテクニクス製D/AコンバーターであるAN6806を2個左右独立で搭載しており、相互干渉や変換時間差を補正回路無しで解消しながら16ビットのD/A変換を実現しています。
さらにSL-P50では変換後の信号回路を左右チャンネルで独立に配置しています。
D/A変換後のアナログ回路には11次構成のローパスフィルターを採用しています。
電源部の電源トランスをデジタル系とアナログ系で独立する事で相互干渉を排除しています。
プロフェッショナル用CDプレイヤーとして1フレーム(1/75秒)単位での頭出しが可能となっています。
頭出しは3通りの方法で可能となっており、10キー指定、独自の高精度ダイアルによるサーチ指定、オートサーチで行えます。
カーソル移動キーを使って指定の部分修正も可能です。
ダイアルサーチでは1回転で1秒のslowと約30秒のfastの2モードが選択できます。さらに小部分再生を指定開始位置直前の0.2秒に回路設定しており、曲頭検出が正確に行える設計となっています。
オートサーチでは信号レベルをデジタル的に検出する事で指定曲番の音楽の始まる位置を自動検出ができます。
モニタープレイ機能を搭載しており、モニタープレイキーを押すことで内蔵スピーカーによる指定位置からのモニター再生が可能です。
この場合ラインアウトへの信号出力はカットされます。
また、オンラインプレイ機能を搭載しており、専用のプレイキー操作が可能です。
ディスプレイには大型グラフィックディスプレイを採用しています。
ディスクの全トラック位置、演奏開始位置、ピックアップの現在位置を1分刻みの座標軸上にグラフィック表示します。さらにピックアップの現在位置はディスプレイの右下にデジタルで表示するようにしています。
通常は指定した演奏開始位置の曲番、インデックス番号、時間(分秒)、フレームを表示します。そしてスイッチの切換により、ピックアップの現在位置や演奏曲の残り時間、ディスクの残り時間、ディスクの残りトラック数及び残り時間も表示できます。
フェーダを採用しており、フェーダスタートが可能です。
出力レベルメーターを装備しており、フェーダ通過前のライン出力レベルが読み取れます。
自己診断機能を内蔵しており、電源ON時の全ディスプレイ点灯でOKをサインします。
サブコード出力端子を装備しています。
ブラックとシルバーの2色のカラーバリエーションがありました。
別売りオプションとしてコンソールスタンドがあり、床置きコンソールタイプとしても使用可能でした。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
<信号フォーマット> | |
標本化周波数 | 44.1kHz |
誤り訂正方式 | テクニクス・スーパー・デコーディング・アルゴリズム |
複合化 | 16ビット直線 |
<オーディオ> | |
オーディオチャンネル数 | 2チャンネルステレオ |
周波数特性 | 20Hz~20kHz ±0.5dB |
ダイナミックレンジ | 96dB以上 |
SN比 | 96dB以上 |
高調波歪率 | 0.005%以下(1kHz、0dB) |
チャンネルセパレーション | 90dB以上(1kHz) |
ワウ・フラッター | 測定限界以下 |
<ピックアップ> | |
方式 | アスティグマ3ビーム |
光源 | 半導体レーザー |
波長 | 800nm |
<総合> | |
ライン出力 | 1タイプ:XLR-3-12または相当品(キャノンコネクタ)x2系統 インピーダンス:300Ωアンバランス 2タイプ:RCAピンコネクタx2系統 インピーダンス:300Ω |
出力電圧 | +4dBm/-20dBm(内部切換) |
リモート | 14ピンコネクタ |
ヘッドホン出力 | ステレオ標準ジャック:1系統 |
音声立ち上がり時間 | 0.3秒以内(0秒スタート基板装着時:0.1秒以内) |
アクセス時間 | トラックナンバー・時間指定:4秒以内 インデックス指定:8秒以内 オートサーチ(トラックナンバーのみ指定):5秒以内 |
アクセス精度 | 13.3ms(1フレーム) |
連続運転 | 常規使用状態で10時間以上連続運転をした時に性能を満足する |
絶縁抵抗 | 交流電源入力端子と筐体間を500V絶縁計で測定し、50MΩ以上 |
周囲温度 | 5~40℃にて安定動作し、異常がない。 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz 定格値±5%の変化範囲で性能を満足する |
消費電力 | 85W |
外形寸法 | 幅430x高さ200x奥行530mm 幅430x高さ883x奥行530mm(コンソールSH-S50P使用時) |
重量 | 18kg 30.5kg(コンソールSH-S50P使用時) |
別売 | コンソールスタンド SH-S50P(¥50,000) |