Technics SL-20
¥26,800(1975年頃)
解説
FGサーボDCモーターを採用したベルトドライブプレイヤー。
駆動方式にはベルトドライブ方式を採用しており、駆動モーターにFGサーボDCモーターを採用しています。
FGサーボ回路ではモーター内部に周波数検出用のコイルを内蔵しており、この周波数をモーターの回転数に比例した直流電圧に変換します。そして、この電圧を基準電圧発振器からの電圧と比較し、その差をモーター駆動回路に送ることでモーター駆動電圧を一定に保っています。SL-20ではFGサーボ回路にトランジスタ21個分に相当するICを使用しています。
また、起動トルクの大きさや負荷変動に対する強さの面で効率の良いDCモーターを採用する事で十分な性能を確保しています。
カートリッジにはMM型カートリッジを採用しています。
ピックアップ部の総合した性能を高めるため、MM型カートリッジでは世界で初めてカートリッジとシェルを一体化した構造を採用しています。これにより小型軽量に仕上げ実効質量を軽減しながら十分な強度を得ています。また、カートリッジとシェルの相性問題も解消しています。
マグネットにはCKS磁石を採用しとえり、磁石を高強度アルミ合金カンチレバーに直接結合した構造を採用しています。これにより振動子実効質量を0.8mgと極小にするとともに高安定度なハイコンプライアンス支持構造を実現しています。
針先を保護するカバーを装備しています。また、ヘッドコネクタにはEIAJ規格4ピン式を採用しています。
オイルダンプ式キューイングレバーを装備しています。
ケーブルには低用量コードを採用しており、CD-4用カートリッジを用いる事でCD-4再生が可能です。
キャビネットにはパークルボードを採用しており、補強を加えながら低重心でコンパクトなデザインを実現しています。
脚部には新開発のインシュレーターを採用しています。
これはスプリングと粘弾性材料を用いたもので、異なった弾性を組み合わせる事で広い周波数帯域にわたって有害な振動を吸収しています。
フリーストップ式で取り外しも可能なダストカバーを採用しています。
機種の定格
型式 | レコードプレイヤー |
<ターンテーブル部> | |
ターンテーブル | 30cmアルミダイカスト製 |
駆動方式 | ベルトドライブ |
モーター | FGサーボDCモーター |
回転数 | 33・1/3、45rpm |
ワウ・フラッター | 0.05%(W.R.M.S、JIS・C5521) |
SN比 | 55dB(IEC179B) 65dB(DIN45539B) |
<トーンアーム部> | |
トーンアーム | スタティックバランス型ユニバーサルS字型パイプアーム 針圧直読式 アンチスケーティングフォースコントロール装置 オイルダンプ式キューイング付 |
アーム実効長 | 220mm |
オーバーハング | 14mm |
トラッキングエラー | +3゜(30cmレコード外周) -0.2゜(30cmレコード内周) |
オフセット角 | 22゜ |
針圧調整範囲 | 0~4g直読可変 |
適用カートリッジ重量 | 13g~17g(シェル重量含む) 13g~18.5g(シェル重量含む、※別カタログ記載) |
<カートリッジ部> | |
型式 | シェル一体構造MM型カートリッジ |
周波数特性 | 20Hz~25kHz |
出力電圧 | 3.2mV/ch(50mm/s、1kHz水平) 4.5mV/ch(50mm/s、1kHz45゜) |
チャンネルセパレーション | 25dB |
チャンネルバランス | 2dB以内 |
直流抵抗 | 50~100kΩ |
適正針圧 | 1.75g(±0.25g) |
交換針 | EPS-270DD(¥5,500) |
<総合> | |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 1.5W |
外形寸法 | 幅425x高さ135x奥行348mm 奥行331mm(別カタログ記載) |
重量 | 5.0kg |