Technics SL-1700
¥44,800(1976年頃)
解説
ハウリングに強い新構造を採用したダイレクトドライブオートプレヤー。
モーター駆動部、制御部、各種機能をワンチップ化した世界初のD.Dモーター用IC(AN630)回路を採用しています。このICはトランジスタ、ダイオード、抵抗、コンデンサなど計321素子からなり、チップサイズも3x2.7mmと優れた集積度を実現しています。
モータの回転数を正確に維持するための速度検出方法に、B・FG(Back Electro Motive Force Frequency Generator)方式を採用しています。これは駆動巻線の逆起電力を検出し、IC内部で波形整形後、論理剛性して、13.3Hz(33・1/3rpm時)のFGを構成することで、ICの特長を利用した優れた特性と対負荷速度変動特性を実現しています。
モーターには独自の一体構造D.Dモータを採用しています。さらに、モータの回転部はターンテーブルと一体に、固定部はケースと一体化し、ケース、モータ、ターンテーブルの積み重ねが不要なため、性能と信頼性が向上しています。
ハウリング対策としてフローティングダブルインシュレーターを採用しています。
これは、まず本体キャビネットを防振特性に優れたインシュレーターで支え不要な外部振動を抑えます。そこから、底カバーと一体構造にして重量化を図ったメインベースを、適切な粘弾性材と金属スプリングからなるインシュレーターでフローティングしています。さらに、メインベースは金属ボートで重量化を図り、粘弾性材で防振対策を施しています。
オートリターン機構を搭載しており、演奏終了時に検出メカニズムが働いて、自動的にトーンアームがレストに戻りプレイヤーの電源が切れます。
トーンアームには初動感度7mgのジンバルサスペンション方式高感度トーンアームを採用しています。
また、MM型カートリッジを搭載しています。
機種の定格
型式 | ダイレクトドライブプレイヤー |
<ターンテーブル部> | |
ターンテーブル | 33cmアルミダイカスト製 |
モーター | ワンチップIC採用のB・FGサーボDCモーター |
回転数 | 33・1/3、45rpm |
回転数微調整範囲 | 調整範囲10%、各回転数単独調整可能 |
ワウ・フラッター | 0.025%(W.R.M.S.、JIS・C5521) |
SN比 | 60dB(IEC-B) 70dB(DIN45539B) |
トーンアーム | ユニバーサルS字型パイプアーム 針圧直読式 スタティックバランス型 ジンバルサスペンション方式 アンチスケーティングフォースコントロール装置 オイルダンプ式キューイング付 |
針圧調整範囲 | 0~3g、直読可変 |
適用カートリッジ重量 | 5g~11g |
交換針 | EPS-270ED(¥5,500) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 4W |
外形寸法 | 幅453x高さ125x奥行369mm |
重量 | 8.8kg |