Technics RS-M75
¥118,000(1978年頃)
解説
RS-M85と同じスリム設計を採用したステレオカセットデッキ。
RS-M75はRS-M85からキャプスタン駆動用モーターからクォーツロックが省略された構成となっています。また、リモートコントローラーでの操作もできません。
キャプスタン駆動用にテクニクスが開発した平面対向型のD.Dモーターを採用しています。
D.Dモーターはブラシレス・スロットレス方式のモーターで、構造的にはロータ(マグネット)がステータ(コイル)に対して平面的に対向しているのが特徴です。そして、フライホイールと一体化した永久磁石の回転子がステータ側に吸引された状態で回転し、スラスト方向のガタを抑えています。また、スリム化のためにモーターの直径は圧縮されていますが、ICによるコントロール回路の制御によって大型フライホイール以上の効果を実現しています。
さらに、サーボ回路にはFG(周波数発電機)によって速度と位相を合わせて制御する方式を採用しています。
リール駆動用には新開発のコアレスモーターを採用しています。
このモーターはコギングが無く回転が極めてスムーズなうえ、立ち上がりが素早く、さらに制御特性にも優れるなど、リール駆動用として理想的な条件を持っています。これにより、テープ速度変動やワウフラッター特性などを改善しています。
メカニズムのコントロールには、デジタル技術を駆使したICロジックによる純電子式回路を採用しています。
制御回路には新開発のIC(I2L IC AN6251)を使用しており、FFやREWからPLAYへの直接切換えなどが可能です。
録再用ヘッドには、素子から新たに開発したラミネート方式のSXセンダストヘッドを採用しています。
SXセンダストヘッドは周波数特性、歪特性ともに優れ、さらにフェライトヘッドに匹敵する寿命も持っています。
テープセレクターは、各テープに対するバイアス/イコライザをCrO2、ex、normalの3段に切換えできます。
さらにバイアス微調整ツマミを搭載しており、各基準値から約±15%の範囲で調整できます。
デジタルFLディスプレイを搭載しています。
MPXフィルタを内蔵したドルビーNRシステムを搭載しています。
録音中に内容の部分カットが可能なRecミュート機構を搭載しています。
タイマースタンバイ機構を搭載してます。
出力ボリュームやメモリーリワインド機構、フルオートストップ機構、照明付きテープカウンタなどを搭載しています。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ |
ヘッド構成 | 録再用:SXセンダストヘッド 消去用:ダブルギャップフェライト |
使用モーター | キャプスタン用:FGサーボ電子整流子方式DDモーター リール用:コアレスモーター |
録音バイアス方式 | 交流バイアス方式 |
消去方法 | 交流消去方式 |
周波数特性 | Normal:20Hz~16kHz CrO2:20Hz~18kHz |
SN比 | 58dB(XAテープ、ピークレベル) Dolby NR in:10dB改善(5kHz) |
ワウ・フラッター | 0.035%WRMS |
入力感度/インピーダンス | Mic:0.25mV(-72dB)/400Ω~10kΩ Line in:60mV(-24dB) |
出力レベル/インピーダンス | Line out:420mV(-7.5dB)/22kΩ以上 Headphone:80mV/8Ω(可変) |
使用半導体 | トランジスタ:123個 IC:10個 ダイオード:54個 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 約33W |
外形寸法 | 幅450x高さ97x奥行403mm |
重量 | 約10.5kg |