Technics RS-B100
¥148,000(1983年頃)
解説
CD時代のリファレンスデッキを目指して開発されたステレオカセットデッキ。
走行系にはクォーツD.D.クローズドループダブルキャプスタン方式を採用しています。
さらに、共進分散型キャプスタンの採用や3つのテープガイドの新設などにより走行精度を高めています。
RS-B100ではカセットデッキとして初めて波形伝送のテーマに取り組んでおり、ダビング時などに起こる音質劣化の原因となる位相周波数の乱れを改善するため、音楽信号の群遅延特性を一定に保つ位相補正回路を採用しています。これによって、従来のデッキでは困難といわれていた入力波形の忠実な再現を実現しています。
さらにアンプ部には、リニアフィードバック回路やダイレクトカップリングデュアルFETを採用しており、低雑音化や低歪化をさらに徹底しています。
録音・再生ヘッドには、アモルファス合金を用いたAXコンビネーションヘッドを採用しており、優れた高周波特性や高MOLなどに加え、高い耐摩耗性を実現しています。
また、録音用と再生用ヘッドの組成配分を変えることで、より適切な特性を得ることに成功してます。
テープ種類を自動的に検知し、テープポジションをセットするオートテープセレクタを搭載しています。
テープの種類によって異なる最適バイアス値をデッキの発信する信号によって調整するバイアスアジャスト機能や、左右独立のレベルキャリブレーション機能を搭載しています。
ノイズリダクションシステムとしてdbxシステムとドルビーNR B/Cの3種類を搭載しています。
dbxシステムでは、音楽信号を2分の1に圧縮して録音し、再生時に2倍に引き伸ばすことで110dBものダイナミックレンジを獲得しています。
3つのNRは録音側/再生側のそれぞれに内蔵したダブル回路構成を採用しており、NR
in状態での録音同時モニターが可能です。
2ウェイデジタルカウンタを搭載しており、通常の3桁テープカウント以外に、テープ残量時間(分・秒)をデジタル表示することも可能です。
ミュージックセレクタを搭載しており、テープ再生中にFFキーを押すと次の曲の頭出し、REWキーを押すと現在再生中の曲の頭出しができます。
オートレックミュートを搭載しており、rec muteボタンを押すだけで自動的に4秒間の無録音部分を作り録音スタンバイ状態に入ります。
通常は-40dB~+8dB、dbx inでは-40dB~+18dBまで表示できる3色ワイドレンジFLディスプレイを搭載しています。
録音時のモニター切換えを必要としないオートモニターを搭載しています。
オートレックメモリーを搭載しています。
別売のワイヤードリモコンを接続することで離れた場所からの操作ができます。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ |
ヘッド | 録音・再生:AXアモルファスコンビネーションヘッド 消去:ダブルギャップセンダストヘッド |
モーター | キャプスタン用:クォーツロックDDモーター リール用:電子制御DCモーター |
ワウフラッター | 0.022%(W.R.M.S.) ±0.038%(W.Peak、EIAJ) |
周波数特性 | ノーマル(ED):15Hz~21kHz、20Hz~19kHz ±3dB(EIAJ) CrO2(EX):15Hz~23kHz、20Hz~21kHz ±3dB(EIAJ) メタル(EM):15Hz~25kHz、20Hz~23kHz ±3dB(EIAJ) |
ダイナミックレンジ | 110dB(dbx in、1kHz、EXテープ) |
SN比 | NR off:61dB(EXテープ、WTD、1kHz、3%3次歪) 56dB(EXテープ、EIAJ) Dolby B NR in:68dB(EXテープ、WTD、1kHz、3%3次歪) Dolby C NR in:74dB(EXテープ、WTD、1kHz、3%3次歪) dbx in:92dB(EXテープ、WTD、1kHz、3%3次歪) |
入力感度/インピーダンス | Line:60mV/47kΩ |
出力レベル/インピーダンス | Line:400mV/2.2kΩ Headphone:2mW/8Ω(適合インピーダンス8Ω~600Ω) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 約24W |
最大外形寸法 | 幅430x高さ98x奥行274mm(ツマミ、ゴム足含む) |
重量 | 約5.7kg |
別売 | ワイヤードリモコン RP-9645(¥6,000) |