Technics SU-V6X
¥69,800(1983年発売)
解説
コンピュータドライブニュークラスAアンプに新回路パワーリニアサーキットを搭載したインテグレーテッドDCアンプ。
テクニクス独自のパワーリニアサーキットを搭載しています。
これは、リニアフィードバックの回路技術を発展させたもので、その効果をアンプ出力段にもたらし、リニアリティを飛躍的に向上させ、瞬間瞬間に生じるスピーカーの低インピーダンス負荷による歪を抑えています。
コンピュータドライブニュークラスA方式を搭載しています。
このコンピュータドライブでは、アンプ信号系のバイアスコントロールに、世界で始めてマイクロコンピュータを導入し、信号センサーからの情報をもとに、音楽信号の変化に対する出力トランジスタの瞬時瞬時の温度動作状態を算出し、ICQ(アイドリング電流)を常に最適値にコントロールしています。
これにより、いかなる音楽信号再生時にも、ICQの過不足によるトランジェントクロスオーバー歪の発生は皆無となっています。
電源on後、回路が安定動作に入るまでを、前面パネルのディスプレイによって確認できます。
リニアフィードバック回路を搭載しており、NFB理論をさらに発展させNFBループ内に無限大増幅を可能とするような独立した帰還回路を形成することで、理論値として歪=0、素子や電源の影響のないピュアゲイン、逆起電力や線材の影響のないスピーカー駆動を実現しています。これにより、可聴域の下限ではほぼ無限大近く、上限の20kHzでも40dBという歪低減効果を実現しています。
シンクロバイアス回路を搭載しており、通常A級やAB級アンプでは交互に休止してしまう出力トランジスタに、休止サイクルに同期して一定のバイアスを供給するシンクロバイアス回路を採用することで、出力段を常に能動状態におき、休止に起因するスイッチング歪を解消しています。
さらに、信号経路とバイアス電流経路を独立させ、クロスオーバー歪も極小化しています。
低損失・大容量を誇る新設計の電源トランスと、ロスの少ない低ESR(等価直列抵抗)の平滑用電解コンデンサにより、強力な電源回路を構成しています。
フォノイコライザ部は、超ローノイズFETの採用により高SN比を実現しています。
トーンコントロール回路には、メインNF型(bass)、NF-CR型(treble)を採用し、高いSN比と低歪を実現しています。
グラフィックイコライザ等の接続に便利な外部機器専用端子を裏面パネルに搭載しています。
機種の定格
型式 | インテグレーテッドDCアンプ |
<Tuner、Aux→SP out総合特性> | |
実効出力(20Hz~20kHz) | 120W+120W(6Ω、0.005%) |
全高調波歪率 | 0.002%(定格出力-3dB、20Hz~20kHz) |
TIM | 測定不能 |
出力帯域幅(THD 0.02%) | 5Hz~100kHz |
周波数特性 | 20Hz~20kHz +0 -0.1dB 0.5Hz~170kHz +0 -3dB |
SN比(IHF-A、ストレートDC) | 104dB |
残留ノイズ(ストレートDC) | 0.5mV |
ダンピングファクター(8Ω) | 80 |
負荷インピーダンス | main or remote:4Ω~16Ω main and remote:8Ω~16Ω |
<その他特性> | |
入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.5mV/47kΩ Phono MC:170μV/220Ω Tuner、Aux、Tape:150mV/18kΩ |
Phono SN比 | MM:88dB(2.5mV入力) MC:72dB(250μV入力) |
Phono周波数特性 | 20Hz~20kHz、RIAA ±0.5dB |
シェルビングトーン | Bass:±10dB(50Hz) Treble:±10dB(20kHz) |
フィルター | Subsonic:30Hz、-6dB/oct |
ラウドネスコントロール | +9dB(50Hz、Volume -30dB) |
<総合> | |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 193W |
外形寸法 | 幅430x高さ141.6x奥行380mm |
重量 | 10.7kg |