Technics SU-9070II(70AII)
¥120,000(1977年発売)
解説
新開発パーツを採用したステレオコントロールアンプ。
イコライザの初段には、新開発の低雑音トランジスタM47Lを差動増幅として採用しています。さらに、高いゲインを確保しながら、歪が極めて低くなる動作電流が選べるカレントミラー負荷で動作させることで、高いSN比を実現しています。
ボリュームにはCP素子(コンダクティブ・プラスチック)を抵抗体に用いた6連ボリュームを採用しています。
CP素子はカーボン被膜抵抗に比べて耐摩耗性に優れた素材で、さらに表面に鏡面仕上げを施すことでブラシとの摩擦を殆どゼロにしています。これにより、操作フィーリングの向上と、低歪、低雑音の長期間保持を実現しています。
また、このCP素子ボリュームをフラットアンプの前後に挿入することによって実使用状態でのSN比を向上させています。
テープモニターを入力セレクタに組み込んでおり、入力セレクタの切換えで3台のテープデッキが使用できるように設計されています。また、録音にはレコーディングモードセレクターを別で搭載しており、入力セレクターとは関係なくダビングが可能です。
フロントパネルのボタン操作によって、SU-9070IIに接続した外部ユニットの回路上の挿入個所を切換えることができます。
例えばUFE(ユニバーサル・フリケンシー・イコライザ)接続した場合、スイッチの通常の一ではUFEはpre
outに接続され、再生信号の周波数特性を自由に変化させることができます。また、スイッチを押し込むとrec
outに接続され、周波数特性を調整した後の信号が録音できます。
フラットアンプ回路は、入出力用カップリングコンデンサを使用せず、NFループからも一切のコンデンサを追放したDC構成を採用しています。
回路初段は温度特性の良く揃ったデュアルFETを定電流駆動の差動アンプとしており、次段はバイポーラトランジスタによる差動アンプを採用することで、直流安定度の優れた差動2段構成としています。そして、純抵抗負荷の電圧増幅段からダーリントン接続のSEPP出力段という構成になっています。
さらに、全段を定電圧電源で駆動することで、温度変化による直流ドリフトを問題にならないレベルに抑えています。
機種の定格
型式 | ステレオDCフラットプリアンプ |
入力感度/インピーダンス | Phono1、2 MM:2.5mV/47kΩ Phono MC:60μV/47Ω Tuner、Aux:150mV/47kΩ Tape deck1、2、3、Playback:150mV/47kΩ |
全高調波歪率(20Hz~20kHz) | Phono MM:0.003%(VR max at 10V output) 0.003%(VR -30dB at 1V output) Phono MC:0.02%(VR max at 10V output) 0.01%(VR -30dB at 1V output) Tuner、Aux、Tape:0.003%(VR max at 10V output) 0.003%(VR -30dB at 1V output) |
SN比(IHF-A) | Phono1、2 MM:88dB Phono MC:72dB、-157dBV(入力換算) Tuner、Aux:106dB |
周波数特性 | Phono(20Hz~20kHz):RIAA標準カーブ ±0.2dB Tuner、Aux:20Hz~20kHz +0 -0.05dB 0Hz~100kHz +0 -1dB |
Phono最大許容入力(1kHz、RMS) | Phono MM:380mV Phono MC:9mV |
出力電圧/インピーダンス | Pre out:1V/600Ω(定格)、20V/600Ω(最大) Tape deck1、2、3、Rec out:150mV |
サブソニックフィルタ | 20Hz、-12dB/oct(イコライザ) |
ミューティング | -20dB |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 23W |
外形寸法 | 幅450x高さ92x奥行369mm |
重量 | 7.0kg |