Technics SU-7700
¥45,800(1976年頃)
解説
ストレートな回路構成を実現するため、サイド端子構造を採用したプリメインアンプ。
端子はプリント基板にワイヤを使用せずに直結されており、入力信号はストレートに回路に入力されます。
また、サイド端子レイアウトにより、ストレートな伝送を可能にしています。
イコライザ回路にはIC構成を採用しています。回路構成は、雑音が極めて少ない動作電流が選べるカレントミラー負荷の差動増幅を初段として、定電流負荷のエミッタフォロワを出力段としています。
初段のゲインを大きくとっているため、ノイズレベルの低減を実現しています。
また、正確な周波数特性を得るため、±1%偏差の金属被膜抵抗と±2%偏差のポリプロピレンコンデンサをイコライザ素子に使用しています。
メインアンプ部の初段は、1パッケージのペアトランジスタを用いて差動増幅器を構成しておりカレントミラー負荷で動作させています。初段で低歪に高いゲインを得て、NF技術による負帰還をかけた攻勢となっています。
パワートランジスタには、大容量トランジスタをコンプリメンタリで使用し、低歪、低雑音化を計っています。
リレーを用いた保護回路兼ミューティング回路を搭載しており、電源on/off時のノイズを抑えています。
電源部には、巻線に技術をこらして小さなスペースに高密度にコイルを巻いた新開発の高密度巻トランスを採用しています。このため、体積重量比が大きく、効率よく高い出力を得ています。また、レギュレーションも優れ、リーケージフラックスが少ないなどの特徴を持っています。コンデンサには10,000μFの電解コンデンサを採用しています。
プリアンプ部用に、トランジスタやツェナーダイオードを用いた±2電源の定電圧電源を採用しています。さらに、メインアンプの初段差動増幅器の共通エミッタ電源を、ツェナーダイオードで定電圧化して供給し、安定した増幅を可能にしています。
イコライザ回路のNFループを利用したサブソニックフィルターを搭載しています。
テープモニタと録音モードのセレクタが独立した構成となっているため、ダビング中に他のソースを再生することも可能です。
ボリュームには41ポイントステップタイプを採用しています。
トーンコントロールには新開発のボリュームを採用しており、ツマミの中点で回路が信号回路外れます。この位置では信号回路がイコライザアンプとパワーアンプだけとなり、極めてシンプルな回路構成となります。
トーンコントロール回路はメインアンプのNF回路を利用しています。
ハイフィルタを搭載しています。
整流にゲルマニウムダイオードを採用し、小出力時のリニアリティを向上させた出力直読パワーメーターを搭載しています。
機種の定格
型式 | ステレオプリメインアンプ | ||||
<パワーアンプ部> | |||||
実効出力(両ch) |
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全高調波歪率 | 0.06% | ||||
出力帯域幅(両ch、8Ω) | 8Hz~55kHz -3dB | ||||
残留雑音 | 0.6mV | ||||
ダンピングファクター | 60(8Ω) | ||||
負荷インピーダンス | Main or Remote:4Ω~16Ω Main + Remote:8Ω~16Ω |
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<プリアンプ部> | |||||
入力感度/インピーダンス | Phono:2.5mV/47kΩ Tuner、Aux、Tape1、2:150mV/47kΩ |
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Phono最大入力(1kHz、RMS) | 150mV | ||||
SN比(IHF-A) | Phono:78dB Tuner、Aux:97dB |
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周波数特性 | Phono:RIAA標準カーブ±0.2dB Aux:5Hz~80kHz +0 -3dB |
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トーンコントロール | Bass:50Hz、±12dB Treble:20kHz、±12dB |
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フィルタ | EQ Subsonic:30Hz、-12dB/oct High:8kHz、-6dB/oct |
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出力電圧 | Tape1、2:150mV | ||||
<総合> | |||||
電源 | AC100V、50/60Hz | ||||
消費電力 | 122W | ||||
外形寸法 | 幅410x高さ140x奥行315mm | ||||
重量 | 7.2kg |