解説　

SU-3500や3200シリーズと同一の設計思想に基いて開発されたプリメインアンプ。

メインアンプ部には安定した出力とダンピングファクターを保証する全段直結OCL回路を採用しています。また、出力段には完全コンプリメンタリー構成を採用し、高調波歪や混変調歪を低減しています。

初段の差動増幅回路には特性の揃ったペアトランジスタを厳選して使用しており、さらにツェナーダイオードを用いて定電圧化することで回路の安定性向上を図っています。
回路安定用のツェナーダイオードと差動増幅器の電源に挿入したツェナーダイオードによって電源ON/OFF時のショック音の発生を抑えています。

イコライザ回路は2段直結構成となっており、初段に高耐圧・低雑音PNPトランジスタを使用し、2段目には高耐圧・低雑音NPNトランジスタを使用しています。
また、プラスマイナスの2電源によって電源電圧を高くとり、大きなダイナミックレンジを確保することで幅広いカートリッジに対応しています。

トーンコントロール回路はメインアンプ部のNF回路を利用しており、スピーカー出力端子から初段作動増幅器への帰還量を周波数によってアッテネートしてトーンをコントロールしています。
この方式はメインアンプの回路ループ内で信号操作を行うため、トーンコントロール回路を挿入することによる歪の増加が少なく、スムーズな音質調整が可能です。

内部レイアウトはスイッチ部をリアパネル近くにした設計となっており、微弱な信号を伝送する配線の引回しによる音質への影響を低減しています。

ロー/ハイフィルターを搭載しています。

2系統のテープモニター機能を搭載しており、ツマミの切換えによってプログラムソースを2台に同時に録音したり、1台のデッキから他のデッキへのダビングが可能です。

2系統のスピーカー出力を搭載しています。

2系統のフォノ端子を搭載しています。

機種の定格

型式	プリメインアンプ
回路方式	完全コンプリメンタリ全段直結差動増幅OCL回路
<メインアンプ部>
ミュージックパワー	80W(4Ω) 60W(8Ω)
実効出力	片ch駆動: 両ch駆動: 40Hz～20kHz: 28W/28W(4Ω) 23W/23W(8Ω) 22W+22W(4Ω) 20W+20W(8Ω) 17W+17W(8Ω)
出力帯域幅(8Ω)	10Hz～40kHz -3dB
高調波歪率	0.5%
残留ノイズ	0.5mV
ダンピングファクター	30(8Ω)
適合負荷	Main or Remote:4Ω～16Ω Main + Remote:8Ω～16Ω
<プリアンプ部>
入力感度/インピーダンス	Phono1、2:2mV/50kΩ Tuner、Aux:180mV/40kΩ
Phono最大許容入力	120mV(1kHz、RMS)
高調波歪率	0.5%
SN比(IHF)	Phono:74dB Tuner、Aux:82dB
周波数特性	Phono:RIAA標準カーブ ±0.5dB Aux:7Hz～90kHz +0 -3dB
テープモニター(Tape1、2)	Playback:180mV/40kΩ Rec out:180mV/1kΩ
トーンコントロール	Bass:±11dB(50Hz) Treble:±10dB(10kHz)
ラウドネス	+7dB(100Hz)
ローフィルター	40Hz、-6dB/oct
ハイフィルター	8kHz、-6dB/oct
<総合>
電源	AC100V、50Hz/60Hz
消費電力	50W
外形寸法	幅386x高さ115x奥行303mm
重量	6.1kg