Technics SU-10000
¥450,000(1973年頃)
解説
テクニクス技術陣の総力と長年貯えてきた研究開発の成果を、徹底して性能向上と再生音の追及に向け、一切の妥協を排して開発された10000シリーズのステレオコントロールアンプ。
イコライザアンプ部は、3段直結差動増幅とエミッタフォロアの4段直結回路構成となっています。
初段は特に厳選した低雑音PNP型トランジスタを採用し、終段部は162Vという高い電圧を用いた回路構成となっており、これにより、諸特性の大幅な改善を実現しています。
また、Phono1、2ともに入力インピーダンスを3段階、入力感度を2段階切換え可能で、リアパネルの切換えスイッチで選択すると、フロントパネルに指示される構造となっています。
トーンコントロール回路にも差動増幅回路を採用しており、諸特性を改善を図っています。
特性の変化は2.5dBのステップ式で、さらにターンオーバー周波数を高域低域のそれぞれで3段階まで可変でき、またトーンディフィートスイッチを搭載しており、フラットな特性に戻すことも可能です。
独立したマイクアンプを内蔵しており、マイクとのミキシングが可能です。このマイクアンプはイコライザ回路と同じ162Vの高い電圧を用いたもので、高耐入力設計がされています。
また、マイク入力はレベル調整が可能なので、フェードイン・フェードアウトなどが可能で、ミキシングを行った音声はミキシング録音端子から出力されるので、そのまま録音ができます。
ロー・ハイフィルタを搭載しており、低域2段階、高域2段階でそれぞれ18dB/octで減衰させることが可能です。
ヘッドホンアンプは、初段に差動増幅2段を用い、最終段はコンプリメンタリ接続となっています。
また、ヘッドホンの音量調整用に独立したレベル調整ツマミを搭載しており、ヘッドホンのみの音量調整が可能です。
ボリュームには0dB~-∞まで、22ステップでレベルを変化させる、スイッチ式アッテネーターを採用しており、ボリュームによるSN比の悪化を防止しています。
-34dBまでは2dB刻みで、-20dBアッテネーターも搭載しているので、-54dBまで2dB単位で音量調整が行えます。
2組のテープモニター回路を搭載しており、相互のダビングも可能です。
フロントパネルのインジケーターには発光ダイオードを使用しており、特性劣化の原因となる要因を排除しています。
リアパネルの接続端子には全て金メッキ処理を施し、接触不良を防いでいます。
機種の定格
型式 | ステレオコントロールアンプ | ||
入力感度/インピーダンス | Phono Low:1mV/30kΩ、50kΩ、100kΩ Phono High:3mV/30kΩ、50kΩ、100kΩ Tuner、AUX:100mV/100kΩ MIC:1mV/50kΩ |
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出力電圧/インピーダンス | 定格出力:1V/600Ω 最大出力:10V/600Ω |
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Phono最大許容入力 | Low:450mV High:1.35V |
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歪率 | 0.01%以下 | ||
SN比(IHF) |
MIC:60dB |
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周波数特性 | Phono:RIAA標準カーブ±0.3dB以内 Tuner:7Hz~100kHz ±3dB MIC:10Hz~20kHz ±3dB |
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トーンコントロール |
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テープモニター | Playback入力感度/インピーダンス:100mV/4kΩ Rec out出力感度/インピーダンス:100V/4kΩ |
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フィルター | Low:20Hz、40Hz、18dB/oct High:7kHz、11kHz、18dB/oct |
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ヘッドホン出力 | 150mW | ||
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz | ||
消費電力 | 40W | ||
外形寸法 | 幅440x高さ180x奥行397.5mm | ||
重量 | 14kg |