Technics SE-A5MK2
¥150,000(1983年発売)
解説
デジタルオーディオ時代に対応するパワーアンプとしてテクニクス独自の技術を投入して開発されたステレオパワーアンプ。
出力段はPc150Wの高耐圧トランジスタを2パラ接続で使用した3段ダーリントン構成とし、トータルで1.2kWのPcを獲得しています。また、電源回路は、390VAの大型トランス、80V・8200μFx4の大容量コンデンサ使用の左右独立設計で、チャンネル間の干渉を排除しています。
テクニクス独自のパワーリニアサーキットを搭載しています。
これは、リニアフィードバックの回路技術を発展させたもので、その効果をアンプ出力段にもたらし、リニアリティを飛躍的に向上させ、瞬間瞬間に生じるスピーカーの低インピーダンス負荷による歪を抑えています。
独自のコンピュータードライブ回路を搭載しており、信号系のバイアスコントロールにコンピューターを導入することで、音楽信号の変化に応じて急激な温度変化を繰り返す出力トランジスタを常に最適のアイドリング電流(ICQ)でドライブすることで、トランジェントクロスオーバー歪を解消しています。
リニアフィードバック回路(LFB)を搭載しています。これはNFBループ内に無限大増幅を可能とするような独立した帰還回路を形成したもので、理論値歪=ゼロを実現しており、可聴域の下限ではほぼ無限大、上限の20kHzでも40dB以上という優れた歪低減効果を獲得しています。
シンクロバイアス回路を搭載しており、出力トランジスタの休止サイクルに同期して一定バイアスを供給することで、出力段を常に能動状態におき、スイッチング歪を解消しています。さらに、信号系とバイアス電流回路を独立させることでクロスオーバー歪を極少化し、A級動作のクリアな音質を高効率で実現しています。
コンセントレーテッド・パワーブロックを採用しており、出力段と電源部を巧妙な構成で一体化し、高域歪発生の原因となる電磁界の悪影響を断ち切っています。
コンピューター制御による純電子式保護回路を搭載しています。
0.0001Wの微小出力から300Wまでをレンジ切換えなしに直読可能な大型パワーメーターを搭載しています。
機種の定格
型式 | ステレオDCパワーアンプ |
実効出力 | 150W+150W(8Ω、20Hz~20kHz、0.002%) |
全高調波歪率 | 0.002%(20Hz~20kHz、定格出力時) |
TIM | 測定不能 |
出力帯域幅 | 5Hz~100kHz(THD 0.01%) |
周波数特性 | DC~20kHz +0 -0.1dB DC~200kHz +0 -3dB |
SN比(IHF-A) | 123dB |
残留雑音 | 0.11mV |
ダンピングファクター | 100(8Ω) |
負荷インピーダンス | main or remote:4Ω~16Ω main + remote:8Ω~16Ω |
入力感度/インピーダンス | 1V/47kΩ |
出力メーター指示範囲 | -60dB~+5dB 0.0001W~1kW(8Ω) |
メーター指示精度 | ±3dB(-50dB未満、20Hz~20kHz) ±2dB(-50dB以上、20Hz~20kHz) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 300W |
外形寸法 | 幅430x高さ178x奥行416mm |
重量 | 18.4kg |