Technics SE-A5000
※受注生産品
¥300,000(1990年頃)
解説
VC-4アンプ構成のclassAAアンプなど、テクニクスの回路技術を集大成したステレオパワーアンプ。
回路構成にはclassAA方式を採用しており、電圧コントロールアンプと電流ドライブアンプを左右チャンネルに搭載し、合計4台のアンプで構成されたVC-4アンプ構成となっています。
オーディオ特性を決定する電圧コントロールは、ワンチップデュアルFETによる差動増幅入力段とPc150Wx2chの出力トランジスタを持つダーリントン構成のAクラスアンプとなっており、測定器の限界に迫る低歪を実現しています。
また、スピーカーを駆動する電流ドライブアンプは、FET差動入力で、フィードフォワードタイプのブートストラップ電源を配したハイスルーレイト振幅増幅段と、3パラレルの出力トランジスタを使用したPc450Wx2ch・4段ダーリントンの出力段で構成されています。これにより、強力なパワーを得るための電流を、50A/μsというハイスピードで供給します。
電源部には、左右チャンネルそれぞれの電流ドライブアンプ用電源トランス2基と、左右チャンネルの電圧コントロールアンプ用トランス1基の計3トランスを搭載しています。そして、左右チャンネルの相互干渉を徹底排除した完全シンメトリー構成となっています。また、トータル容量89,400μFの大容量電解コンデンサを搭載しています。
電源トランスには、いずれも無酸素銅線を使用するとともに、完全整列巻線法による高密度・高効率技術を施すことで、優れたレギュレーションを実現しています。さらに、この電源トランスはトータル3重の磁気シールドケースの中に特殊レジンで封入されており、コンセントレーテッドパワーブロックの採用とあいまって、機械振動や電気的ノイズの極めて少ない再生を可能にしています。
出力段と電源部を巧妙な構成で一体化した独自のコンセントレーテッドパワーブロックを採用しており、電磁誘導による高域歪を解消しています。
3mm厚・2.3kgの天板、2mm厚の高剛性シャーシ、トランス底面の2mm厚インシュレーターゴムなどを採用しており、磁気放射や機械振動を押さえ込んでいます。また、天板と底板には開口率の高いパンチングネットを使用しており、独自の高効率放熱器や20mm高・φ60mmの大型インシュレーターとともに高い放熱効果を得ています。
アースラインには2mm厚・10mm幅の無酸素銅ブスバーを採用し、配線材に採用したLC-OFC及びOCCコードとともに低域分解能を高めています。
電子式スピーカーセレクタを採用しています。
切換えリレーには金クラッド接点を使用しており、軽快な操作感と高い信頼性を獲得しています。また、電源off後もセレクタ内容を保持するラストワンメモリー機能を搭載しています。
0.0001Wから300Wまで直読できる大型パワーメーターを搭載しています。
また、フロントには10mm厚のブロンズガラスを使用しています。
電圧コントロールアンプと電流ドライブアンプの動作を確認できるVC-4インジケーターを搭載しています。
金メッキを施したDC/ノーマルの入力端子を採用しています。
電源ケーブルには37芯OCC電源コードを採用しています。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
定格出力 | 240W+240W(4Ω、20Hz~20kHz、0.002%) 200W+200W(6Ω、20Hz~20kHz、0.001%) |
全高調波歪率 | 0.0007%以下(20Hz~20kHz、-3dB、8Ω) |
出力帯域幅 | 5Hz~100kHz(cpo-3dB、0.01%、8Ω) |
周波数特性 | 0.8Hz~150kHz +0 -3dB 20Hz~20kHz +0dB -0.1dB |
S/N比(IHF66) | 120dB |
ダンピングファクタ | 120(8Ω) |
入力感度/インピーダンス | 1.2V/47kΩ |
メーター指示精度 | ±3dB(-40dB以上) ±5dB(-40dB未満) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 400W |
外形寸法 | 幅484x高さ207x奥行475mm |
重量 | 34.0kg |