Technics SE-A5
¥150,000(1980年頃)
解説
SE-A1、SE-A3の思想とクオリティを継承し、さらにリニアフィードバック回路を搭載したステレオパワーアンプ。
シンクロバイアス回路とコンセントレーテッドパワーブロックからなるニュークラスA方式に、新たにリニアフィードバック回路を搭載しています。
この回路は、多重帰還回路技術の粋をつくして開発されたもので、NFBループ内にアンプの裸増幅度=∞を可能とするような独立した期間回路を形成し、理論値として、歪=0、素子や電源の影響のないピュアゲイン、逆起電力や線材の影響のないスピーカー駆動を実現しています。
シンクロバイアス回路を搭載しており、B級動作では交互に休止してしまう+側−側各出力トランジスタに、休止サイクルに同期して一定バイアスを供給し、出力段を常に能動状態において、スイッチング歪を解消しています。
さらに信号経路とバイアス電流経路を独立させているため、出力段は適切な動作点をキープしており、二乗特性を持つ高速ダイオードの働きとも相まって、クロスオーバー歪を解消しています。
出力段と電源部を巧妙な構成で一体化し、電磁界の悪影響を根本から断ち切ったコンセントレーテッド・パワーブロックを採用しています。
さらに、シャーシやカバーなどにシールド効果の高い磁性体を使用することで、外部誘導を抑えています。
電源部には10,000μFの電解コンデンサを4本採用しています。
full(120W+120W)とlimited(30W+30W)の出力切換スイッチを搭載しており、周囲の静かな時など、30Wの出力を巨大な電源で余裕十分に駆動する楽しみ方ができます。
limited選択時はメータ照明もoffとなり、消費電力も小さくなります。
純電子式の保護回路を搭載しており、スピーカー端子にDC成分が発生するようなことがあれば、リレーでスピーカーを切離します。
また、この回路はスピーカー端子のショートや異常な低インピーダンス負荷になった場合のアンプ保護にも動作します。
0.0001Wから300Wまでレンジ切換えなしに直読できる大型パワーメーターを搭載しています。
応答はBTS規格のVUメーターの特性に準拠しています。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ | ||||
定格出力(20Hz~20kHz) |
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全高調波歪率 |
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TIM | 測定不能 | ||||
パワーバンド幅 | 5Hz~100kHz(THD 0.007%) | ||||
周波数特性 | DC~20kHz +0 -0.1dB DC~200kHz +0 -3dB |
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SN比 | 123dB | ||||
残留ノイズ | 100μV | ||||
ダンピングファクター | 140(8Ω) | ||||
負荷インピーダンス | Main or Remote:4Ω~16Ω Main & Remote:8Ω~16Ω |
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入力感度/インピーダンス | 1V/47kΩ | ||||
出力メータ指示範囲 | 0.0001W~300W -60dB~+5dB |
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電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz | ||||
消費電力 | full時:330W limited時:100W |
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外形寸法 | 幅430x高さ178x奥行416mm | ||||
重量 | 18.4kg |