Technics SE-9200
¥120,000(1975年頃)
解説
出力インピーダンス4段切換えを搭載したステレオパワーアンプ。
出力インピーダンスを0.08Ω(normal)、0.8Ω、2.7Ω、8Ωの4段階に切換えできます。回路はゲイン変化のないブリッジ方式となっています。
この出力インピーダンス切換えによりダンピングファクタを変える事ができ、スピーカーの性能をより引き出す事が可能で、8Ωスピーカーの場合で、100、10、3、1に切換えられる計算となります。
パワーアンプ部の回路構成は、差動増幅全段直結完全コンプリメンタリOCLを基本としており、随所に低歪率、高安定度増幅を実現する工夫がされています。
差動増幅器次段に、エミッタフォロワを挿入しており、初段増幅度を上げてSN比を向上するとともにプリドライブ段までのインピーダンス整合を適正化し、歪の発生を防いでいます。
また、プリドライブ段ではブートストラップコンデンサを取り除き低域の安定度を高めるとともに、出力段の安定度も高めています。
電源部は電圧増幅段に±42Vの定電圧電源、出力段に大容量トランスと10,000μFのコンデンサを採用しています。
出力直読ピーク検出型パワーメーターを搭載しています。
このメーターはメーターレンジを3段階調整でき、より高い精度で出力の動きが読み取れます。
リレーによるテクニクス独自の保護回路を採用しています。
この回路では信号系にリレー接触抵抗が入らず、長年の使用でも音質劣化がありません。
電源ON時のショック音防止回路として、差動増幅の共通エミッタ電源のツェナーダイオードとダイオード、コンデンサ、抵抗で構成したタイミング回路を搭載しています。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
実効出力 | 片ch、1kHz:110W/110W(4Ω) 83W/83W(8Ω) 両ch、1kHz:103W+103W(4Ω) 82W+82W(8Ω) 両ch、20Hz~20kHz:93W+93W(4Ω) 76W+76W(8Ω) |
全高調波歪率 | 0.08% |
出力帯域幅 | 5Hz~70kHz -3dB(両ch、8Ω) |
周波数特性 | 5Hz~100kHz +0 -3dB |
SN比 | 110dB |
残留ノイズ | 0.3mV |
ダンピングファクタ | 4Ω:50、5、1.5、0.5 8Ω:100、10、3、1 |
負荷インピーダンス | Main or Remote:4Ω~16Ω Main +Remote:8Ω~16Ω |
入力感度/インピーダンス | 1V/40kΩ |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 180W |
外形寸法 | 幅450x高さ173x奥行380.5mm |
重量 | 15kg |