Technics SA-5200
¥47,800(1973年頃)
解説
2組のテープデッキとマイクを接続できるマトリクス4ch回路を内蔵したFM/AMステレオレシーバー。
メインアンプ部は、初段に差動増幅回路を用いた全段直結OCL回路を採用しています。
イコライザ段は低雑音PNPトランジスタによる2段直結構成を採用しており、直流NFをかけることでバイアス電流も安定化しています。
トーンコントロールはメインアンプ部のNF回路を利用した回路構成となっており、メインアンプ部初段のNFループの帰還量を周波数によりアッテネートしてコントロールしています。
この方式では増幅後に信号操作するため、トーンコントロール回路で発生する歪が極小となっています。
FMチューナー部のフロントエンドにはFM3連バリコンと4極MOS FETを採用しており、安定した高利得を得ることで高感度化を図っています。また、IF増幅段は差動3段を用いた6段構成となっており、選択素子には2素子のセラミックフィルタを3個採用することで60dBの選択度を得ています。
MPX回路にはモノリシックICと密閉構造のコイルユニットを採用しており、温度や湿度の影響を排除しています。
アンテナ端子は同軸ケーブル用の端子を搭載しています。また、インピーダンス変換もバルンを採用した高信頼度設計となっています。
テープモニタ回路を2組搭載しており、2台同時の録音やダビングが可能です。
2ch信号を4ch信号に変換するマトリクス回路を内蔵しています。
機種の定格
| 型式 | FM/AMステレオレシーバー |
| <アンプ部> | |
| ミュージックパワー(IHF) | 46W(4Ω) 37W(8Ω) |
| 実効出力(IHF) | 16W/16W(4Ω) 14W/14W(8Ω) |
| パワーバンドウィズス | 7Hz~30kHz +1 -3dB |
| 周波数特性 | 10Hz~50kHz +1 -3dB |
| 全高調波歪率 | 0.8% |
| 混変調歪率 | 1.0%(60Hz:7kHz=4:1、実効出力時) |
| SN比(IHF) | Phono:70dB Playback:90dB |
| ダンピングファクター | 30以上(8Ω負荷時) |
| 入力感度/インピーダンス | Phono:3mV/47kΩ Mic:3mV/47kΩ Tape Playback:200mV/30kΩ |
| 出力レベル | Rec out:200mV |
| トーンコントロール | Bass:+10dB~-12dB(50Hz) Treble:±10dB(10kHz) |
| ラウドネスコントロール | +12dB(50Hz)、+5dB(10kHz) |
| <FMチューナー部> | |
| 受信周波数 | 76MHz~90MHz |
| 感度(IHF) | 1.9μV |
| 選択度(IHF) | 60dB |
| SN比(IHF) | 65dB |
| キャプチャーレシオ | 2.0dB |
| イメージ妨害比 | 40dB |
| IF妨害比 | 85dB |
| AM抑圧比 | 45dB |
| ステレオセパレーション | 35dB |
| 全高調波歪率 | 0.4% |
| <AMチューナー部> | |
| 受信周波数 | 520kHz~1,610kHz |
| 感度(IHF) | 20μV |
| 選択度 | 20dB |
| イメージ妨害比 | 50dB(1,000kHz) |
| <総合> | |
| 使用半導体 | IC:1個 FET:1個 トランジスタ:38個 ダイオード:19個 |
| 電源 | AC100V、50/60Hz |
| 消費電力 | 52W |
| 外形寸法 | 幅410x高さ135x奥行358mm |
| 重量 | 8kg |