解説　

X-10Rのコンパクト版として開発された7号リールの往復録音再生が可能なテープデッキ。

メカニズム部にはデュアルキャプスタン方式を採用しています。
この方式では2組のキャプスタンとピンチローラーがテープを挟んで駆動する構造となっており、変調ノイズを大幅に低減しています。また、キャプスタン同士の僅かな回転差によってテープテンションを与えるため、カタログデータ上に現れない微細なテープの振動(フラッター成分)まで遮断しています。
さらに左右対称の設計なためリバース時でもフォワード時と全く同じ条件が得られ、往復とも均一のテープ走行を実現しています。

マグネフロート方式のフライホイールを採用しています。
マグネットの反発を利用して軸受に押し付け、キャプスタンの軸方向に遊びが生じないように設計しています。これによりフライホイールの安定した回転を実現しています。

ヘッド部は6ヘッド構成となっており、消去/録音/再生の各ヘッドを往復とも独立させています。
ヘッドには高硬度パーマロイヘッドを採用しています。また、テープスパンを短くするため、音質には影響のない消去ヘッドをクローズドループの外部に配置しています。

前面パネルの中央にあるタイマースイッチと、市販のオーディオタイマーをセットすることで、左右どちらの方向にもタイマー録音をセットできます。

電磁ブレーキを採用しています。

モーションセンシング機構を搭載しており、早巻きからプレイボタンを直接押すと、リールに電磁ブレーキが働いてソフトに停止して瞬時にプレイ動作に移ります。

オートリバースつまみをセットし、カウンターを0000にセットしてテープを再生すれば、その位置で逆方向から正方向に自動反転できます。この機能とオートリバースを組み合わせるだけで1日中エンドレスで再生できます。

Rec Mute機能を搭載しています。

録音ポーズからの立ち上がりがスムーズなリアルタイムポーズ機能を搭載しています。

マイクとラインのミキシングが可能です。

録音/再生の両方に働くピッチコントロール機能を搭載しています。

L/R連動録音モードスイッチを搭載しています。

バイアス、イコライザー独立切換え機能を搭載しています。

大型VUメーターを搭載しています。

機種の定格

型式	テープデッキ
トラック形式	4トラック・2チャンネル・ステレオ方式
ヘッド	消去x2、録音x2、再生x2(6ヘッド)
リール	17形(7号)および12形(5号)
テープ速度	19/9.5cm(±0.5%)
モーター	キャプスタン:FGサーボDCモーター リール:スロットレスDCモーター
ワウフラッター	19cm:0.03%(WRMS) 9.5cm:0.04%(WRMS)
周波数特性(総合)	19cm:30Hz～28kHz 9.5cm:30Hz～20kHz
SN比(総合)	63dB(3%歪レベル、聴感補正)
歪率(総合)	0.8%(規準レベル)
ステレオセパレーション	50dB(1kHz)
入力	Mic:0.25mV/-72dB/適合インピーダンス200Ω以上 Line:60mV/50kΩ
出力	Line:0.45V/負荷インピーダンス10kΩ以上 Headphone:8Ω
電源	AC100V、50Hz/60Hz
消費電力	-
外形寸法	幅432x高さ364x奥行262mm
重量	18kg
別売	テープデッキスタンド CS-606(￥19,800) リモートコントローラー RC-100(￥12,000)