
ESOTERIC X-30
¥300,000(2002年10月発売)
解説
新設計のVRDSメカニズムとRDOTを採用したCDプレイヤー。
D/A変換部にはRDOT(Refined Digital Output Technology)を採用しています。
RDOTは類推補間技術を備える事で波形再現性を高めています。これはCDから読み取ったデータから、データとデータの間にあったであろう音楽情報を類推によって生成しており、結果として20kHzを超えるデータを生成しています。これにより聴感上では音楽がより自然に響き、特に楽器が重なった時の分解能や残響に違いが感じられるようになります。
この技術は筑波大学先端学際領域研究センターの寅市教授の産官学研究の成果です。
メカニズム部にはVRDS(Vibration-Free Rigid Disc-Clamping System)を採用しています。
X-30ではEsoteric P-70の流れをくむ最大20mm厚の高精度アルミ切削加工ブリッジと、5mm厚の鋼材(SS400)の組み合わせによるVRDSブリッジを採用しています。さらに、メカベースおよびシャーシに強固に固定するフルボディード・コンストラクションによって音楽のディティールの表現力や分解能を向上しています。
また、スピンドルモーターのマグネットにネオジウム磁石を採用しており、従来比約10倍のエネルギー積を実現しています。さらにドライブ回路にも改善を加え、VRDSメカニズムによるディスク回転の安定度をより高めています。
スラスト軸受部に高性能特殊摺動材を採用しており、軸受部の摩擦抵抗を低減しており、優れた分解能を実現しています。
新設計、高精度加工のステンレス製センターホールガイドを搭載しています。
これによりディスククランプ精度が大幅に向上しており、ディスクをしっかりとセンターでクランプすることでクランピング時に発生するスピンドルに対するディスクの偏心の影響を低減しています。
ボトムシャーシには8ミリ厚(8kg)のスチールボードを採用しており、メカニズムを直径17mmのスチール構造体で直結する超高剛性シャーシを構築しています。
デジタル出力端子部直前でのクォーツ精度タイミング整形回路を実装しており、デジタル出力のジッター低減を実現しています。
内蔵DACの出力ON/OFFスイッチを搭載しており、トランスポートとして使用した際にもクオリティを追求しています。
脚部には新開発の焼入鋼ピンポイント脚による3点支持を採用しています。
また、スパイク受けを本体ピンポイント脚と一体化とすることで機器の設置を容易にすると共に低音の分解能と優れた音像定位を実現しています。
デジタルサーボを搭載しており、ディスクごとに理想のサーボ量を調整しています。
電源回路の整流用ダイオードにハイスピード・ショットキーバリアダイオードを採用しており、通常清流時にダイオードの逆回転現象によって発生する整流ノイズをシャットアウトしています。
Esoteric P-70/D-70に使用されたパーツや定評のあるオーディオ用パーツを厳選して使用しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
D/Aコンバーター | Swing-Suppressionノイズシェーピング24ビットΔΣ・PWM差動方式 |
アナログフィルター | 2次ベッセルフィルター |
デジタルフィルター | 8倍オーバーサンプリング・インパルス応答RDOT方式 |
ダイナミックレンジ | 96dB以上(EIAJ) |
S/N比 | 96dB以上(EIAJ) |
全高調波歪率 | 0.005%(EIAJ) |
ワウ・フラッター | 測定限界以下(水晶発振精度) |
チャンネルセパレーション | 100dB以上(EIAJ) |
アナログ出力 | RCA/XLR:2.4Vrms、各1系統 |
デジタル出力 | RCA:0.5Vp-p/75Ω、1系統 TOS:-15~-21dBm、1系統 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 18W |
外形寸法 | 幅442x高さ147x奥行344mm(ピンポイントフット含む) |
重量 | 24kg |
付属 | ワイヤレスリモコン |