TEAC VRDS-10SE
¥150,000(1995年発売)
解説
VRDS-10のスペシャル・エディション・モデルとして発表されたCDプレイヤー。
メカニズム部にはVRDSメカニズムを採用しています。
このメカニズムでは、ディスクと全く同径の高質量ターンテーブルにディスクをクランプすることで、ディスク自身が持つ固有の振動や、メカニズム系の不要振動を排除しています。また、ディスク圧着面に極めて緩やかな傾斜を与えることで、ディスクのソリや歪みを矯正しており、ターンテーブルと同角度に微調整されたピックアップによって常にピックアップ光軸中心でのピット読取りを実現しています。これにより光学ピックアップとディスクピット面の相対光軸精度を大幅に向上させており、不要なサーボ電流を極少に抑えています。
VRDS-10SEでは、ターンテーブルに高精度アルミダイキャストを用い、肉厚補強リブ構造のブリッジがこれをリジッドに支えています。またメカベースには、熱膨張係数が低く、温度変化に強いなどの特徴を持ち、さらにABS樹脂に比べて約2倍の比重を持つ特殊高分子素材を採用しています。
モーター部には高トルクを誇るブラシレス・ホールモーターを採用しており、回転安定性と高耐久性を獲得しています。
D/A変換部には原理的にゼロクロス歪の無いビットストリーム・コンバージョンDAC7を採用しています。
VRDS-10SEでは、優れた信号特性を誇るSAA7350を左右それぞれ別に使用し、TDA1547「DAC7」を両チャンネルにジョイントすることにより音質向上を図ったダブル・ディファレンシャル・モードとしています。
この差動回路により、左右チャンネル間の干渉や偶数次高調波の打ち消しを行い、さらにSN比の飛躍的向上を実現しています。
デジタルフィルターには20ビット8倍オーバーサンプリングデジタルフィルターを採用しています。
ボディはボンネット下層部にトップパネルを設け、二重天板構造としています。さらに、二重の天板間には細心の注意を払って制振効果を高めるクッション材をはさみ、これを7点留めによりシャーシ本体に固定しています。
また、シャーシ本体は8つのパートに分割したセパレート・ブロック・コンストラクションを採用しており、独立したフロント/リア・シャーシに加え、メカ専用のセンターシャーシを設置し、さらに前後2枚のメカ・フローティング用サブ・シャーシを介してサイド・シャーシと連結した構造となっています。特にフロントとリアパネルを直結するセンターシャーシはH型の梁構造を形成しており、ボディ・トータルでの大幅な剛性化を実現しています。
VRDS-10SEでは、中天板の厚さを1.6mmとすることで無共振設計を徹底させています。
デジタル回路とアナログ回路を独立した基板とすることで相互干渉を抑えています。
オーディオ専用コンデンサーや精密級金属被膜抵抗を全面採用し、さらに電源コードには極太OFCケーブルを装着するなど、高音質化を図っています。
サーボ電流に起因するノイズ成分を低減するCNサーボを搭載しています。
5mm厚の高密度フロントパネルとアルミ無垢トレイトップ・パネルを採用しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
オーディオチャンネル数 | 2チャンネル |
周波数特性 | 1Hz~20kHz ±0.3dB |
SN比 | 110dB以上(1kHz) |
ダイナミックレンジ | 99dB以上(1kHz) |
全高調波歪率 | 0.0013%以下(1kHz) |
ワウ・フラッター | 測定限界以下(水晶発振精度) |
チャンネルセパレーション | 110dB以上(1kHz) |
アナログ出力 | 2.2Vrms |
デジタル出力 | Coaxial:0.5Vp-p/75Ω Optical:-15dBm~-21dBm(TOS) |
D/Aコンバーター | ビットストリーム |
デジタルフィルター | 8倍オーバーサンプリング20ビットデジタルフィルター |
アナログフィルター | 3次バターワースフィルター |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 18W |
外径寸法 | 幅442x高さ149x奥行331mm |
重量 | 11kg |