オーディオの足跡

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V-5010の画像
 解説 

Vシリーズのスタンダードモデルにあたるカセットデッキ。

Vシリーズではセンターマウント方式を採用しており、テープ走行メカニズムを構造的に安定性の高い中央に配置することで重量配分の偏りを無くし、重量配分の偏りを無くすことでシャーシの歪などの発生を大幅に減少しています。
さらに脚部から離れた位置となるため外部振動の影響を排除しています。

録再ヘッドには高純度PCOCC巻線CA(コバルトアモルファス)録音・再生コンビネーション3ヘッドを採用しています。
CAヘッドはアモルファスの非結晶構造を生かし14層に薄膜積層化したもので、渦電流損失を抑えて高域特性などを大幅に向上しています。さらに、内部巻線には高効率伝送素材として定評のある純度99.997%PCOCC(単結晶高純度無酸素銅)を採用しており、ヘッド部での僅かな歪や伝送ロスを低減しています。

ヘッドベースには亜鉛合金ダイキャスト製を採用しており、僅かな振動によるヘッド部への影響を抑え、変調ノイズを大幅に低減しています。また、常にヘッドを正確に位置決めできるため、アジマス角度や高域特性、位相特性を長期間にわたって高精度に維持します。

メカニズム部には3モーター方式を採用しており、各セクションの確実な動作を可能にしています。

走行メカニズムには周波数分散型クローズドループ・デュアルキャプスタン方式を採用しています。
クローズドループ・デュアルキャプスタン方式では、ヘッドの両側に配置した2組のキャプスタンとピンチローラーがテープテンションを一定に保つとともに、微振動などの外部からの影響を排除し、優れた走行性能を確保しています。
この方式をベースに左右のピンチローラーの径をわずかに変えた周波数分散型とすることで、回転計の周期的変動をキャンセルし、ワウフラッターを大幅に低減しています。
また、キャプスタンにはサブミクロン・オーダーの精密なエッチング処理が施されており、テープのグリップ力を高めて僅かなテープスリップを防止しています。さらに、キャプスタンモーター軸には高精度大型フライホイールを搭載し、慣性質量を大幅に増大することでさらに安定した回転を実現しています。

再生系アンプは2電源ダイレクトカップリング方式による全段モノラルオールDC構成アンプを採用しており、左右チャンネル間の干渉を排除し、セパレーションや位相特性を改善しています。
また、ヘッドアンプ部も入力カップリングコンデンサーを排除したFET差動入力DCアンプとし、低域のノイズ特性を大きく改善しています。

電源部はメカニズム系と録再アンプ系をトランス巻線から分離することで干渉を抑えています。
また、電源部にはカスタムメイドのオーディオ専用電解コンデンサーを採用しています。

シャーシ部には剛性・制振化を追求したスーパーハイリジッドシャーシを採用しており、重量級ボトムシャーシの上にフロントとリアパネル、独自のメカ専用シャーシやセンターシャーシなどを強固に一体化し、外部振動や内部共振を排除するとともに本体のねじれやたわみを防いでいます。

カセットハーフでの微振動を抑えるためアンチスタティックカセットスタビライザーを搭載しており、ハーフ全体を強力に圧着してローディングすることで有害な微振動による変調ノイズを低減しています。また、アーム部は2mm厚のアルミ2層構造とし、カセットホルダー部は1.6mm厚の鋼板で高剛性化することで、共振を抑える耐振構造を実現するとともにホルダー部のたわみなどの変形を防止しています。
さらに、V-5010では本体側に4ポイントの特殊制振ゴムを装備しており、カセットハーフを両サイドから抑える構造とすることでさらに確実なホールドを実現しています。
アンチスタティックカセットスタビライザーでは常にハーフに圧着する高導電性の特殊パッドを装備しており、静電気を逃がすことでハーフの帯電を防ぎ、トラブルの発生を大幅に減少しています。

カセットハーフには独自のトライアングルサポートシステムを装備しています。
一般的な方式では4ポイントで押さえる方式が採用されていますが、一箇所が浮いてしまう可能性があり、ガタつきによる振動の原因となります。トライアングルサポートシステムでは最も有効な3点で支持することでガタつきを解消し、しっかりとハーフをホールドしています。

カセットのローディング部には最大肉厚6mmのアルミ押し出し材を使用しており、振動の発生や伝播を大きく押さえ込んでいます。
さらに、V-5010ではカセットホルダーに従来素材に比べて5倍の強度を持ち、音速が早く内部損失に優れた振動減衰特性を持つ新開発の特殊高分子素材を採用しており、カセットテープ周りの微振動を排除しています。

内部レイアウトは各回路ごとに内部シャーシで分離されたレイアウトを採用しており、入力部、コントロール部、アンプ部とディスプレイ部に加え、メカニズム部も完全にシールドされています。これにより各セクション相互の電気的、物理的な干渉を排除しています。

内部構造は高剛性を追求しており、メカニズム部専用シャーシに加えて独立したサイドシャーシと、フロントとリア部を結ぶセンターシャーシを採用し、底面全体を支える重量級のボトムシャーシ上にがっちりと組み上げています。さらに肉厚のフロントとリアパネル、逆U字のトップパネルとを強固に一体化しています。さらに、高域ノイズを改善する銅メッキシャーシを採用しています。
また、メカニズム専用シャーシを搭載しており、ボトムシャーシとの強固な二重構造によってメカニズム部分の剛性を大きく向上し、外部振動の影響を排除しています。

電源コードには極性表示付きのOFC材を採用しています。
また、操作の感触にもこだわった録音ボリュームや金メッキ端子などのパーツを採用しています。

ノイズリダクションシステムとしてドルビーB/C-NRシステムを搭載しています。

テープの高域録音能力を拡大するドルビーHXプロ録音システムを搭載しています。

左右独立構成のバイアス・レベルキャリブレーションシステムを搭載しており、テープ1本ごとに異なる最適バイアス値とレベルをあわせることが可能です。
調整時は自動的にメータースケールが変わり、内蔵発振器を使った正確な調整が可能です。

回路部は線材を極力減らした最短経路設計を採用しており、線材の引き回しによる音質劣化やノイズ干渉を抑えています。
特に録音ボリュームと入力端子は直付け構造とし、入力信号はダイレクトにラインアンプ部に送り込まれる設計となっています。また、録音ボリュームには厳しく調整されたカスタムメイドのユニットを採用しており、左右の厳密なレベル管理によって録音レベルによる位相の変化を抑えています。

ダブルFLディスプレイを採用しています。
このディスプレイではテープ走行量を時間で表示するリニアタイム・テープカウンターを搭載しています。

聴きたい曲をワンタッチで頭出しできる前後15曲のCPS自動選曲機能を搭載しています。

CDダイレクト入力を搭載しています。
さらに、CDプレイヤーを早送り再生した状態で録音レベルを調整できるCDレベルチェック機能を搭載しています。

リターンtoゼロ機能やオートモニター、オートテープセレクター、オートレックミュートなどの機能を搭載しています。

カセットローディング部の開閉には専用モーターによるパワーロード/イジェクト機能を搭載しており、一定の力で開閉するために確実で安定したテープローディングが可能です。

CDシンク機能に対応しており、別売ケーブルを用いることでティアック製CDプレイヤーとのシンクロが可能です。

ワイヤレスリモコンが付属しています。
このリモコンではディスプレイのON/OFFが可能です。

機種の定格
型式 カセットデッキ
トラック形式 4トラック2チャンネル・ステレオ方式
ヘッド 録音・再生:PCOCCコバルトアモルファスコンビネーションヘッド
消去:フェライトヘッド
モーター キャプスタン用:DCサーボモーター
リール用:DCモーター
メカニズム用:DCモーター
ワウフラッター 0.027%(W.RMS)
±0.048%(W.Peak、EIAJ)
周波数特性(EIAJ) 15Hz~21kHz ±3dB(メタルテープ)
15Hz~20kHz ±3dB(クロームテープ)
15Hz~18kHz ±3dB(ノーマルテープ)
SN比 58dB(NR off、規定録音レベル、EIAJ)
70dB(ドルビーB NR on、CCIR/ARM)
80dB(ドルビーC NR on、CCIR/ARM)
早巻時間 約85秒(C-60テープ)
入力感度/インピーダンス ライン:97mV/50kΩ
CDダイレクト:115mV/50kΩ
出力 ライン:0.69V/50kΩ
ヘッドホン:2mW/8Ω
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 18W
外形寸法 幅435x高さ149x奥行355mm
重量 8.0kg
付属 ワイヤレスリモコン
別売 CDシンクロ・コード WR-7000(¥980)