
TEAC P-700
¥120,000(1992年頃)
解説
VRDS機構を採用したCDトランスポート。
ドライブユニットには大径圧着式ターンテーブルメカニズムであるVRDSを採用しています。
VRDSではディスクと同径で微妙なテーパー角を持つ高剛性アルミダイキャスト製ターンテーブルに、高精度に調整されたクランパーを用いてディスクを確実に圧着する構造となっています。クランパーはコバルトマグネットの磁力の反発力を利用したマグネフローティング・クランパーヘッドで、ソリや偏心を矯正して圧着精度を高め、不要振動をも排除しています。
ピックアップ部はターンテーブルと同角度に調整されており、常に光軸中心で微細なピットを読み取ります。これにより振動やディスクの反りなどによるジッターの発生を抑え込み、安定した元信号処理を実現しいます。ピットを高精度に読み取ることでサーボ電流の変動なども低減されており、サーボ時のレンズ部や駆動部全体の振動で発生するノイズを極小にし、音楽のニュアンスの再現能力を高めています。
VRDSメカニズムのモーターには高精度・高トルクのブラシレスホールモーターを採用しており、ターンテーブルを安定駆動すると共に高耐久性と高信頼性を実現しています。
ドライブ部には金属とセラミック粉末を合成したハイセラベースを採用しており、制振性に優れ、高精度かつ高剛性のドライブを構成しています。また、駆動モーターには高速トラッカビリティを誇るリニアモーターを採用しています。
ピックアップには3ビームピックアップを採用しており、安定したピット追従性を実現しています。
このドライブ部全体をフローティングサスペンションで保持することで、光学系メカニズムと駆動部を内部共振や外部振動から保護しています。
メカベース部にはポリエステルベースにグラスファイバーとセラミック粉体を混入成型した特殊高分子素材を採用しています。この素材は熱膨張率が極めて低く、温度変化にも強いなどのほか、ABS樹脂に比べて約2倍の非常を持つなど、電気・機械特性に優れるだけでなく、高度な寸法精度も実現しています。
シャーシ部には2重構造(ツインボトム)シャーシを採用しており、肉厚のアルミフロントパネルと強固に一体化したハイリジッドな構造によって優れた振動減衰特性を獲得しています。
電源部には防振性の高いノイズカットトランスや厳密な音質チューニングに基いて選択されたコンデンサーを採用しています。
大型インシュレーターを採用しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | CDドライブユニット |
<オーディオ> | |
デジタル出力 | 同軸:0.5Vp-p/75Ω、1系統 光:1系統 |
<ピックアップ> | |
方式 | 対物レンズ駆動、光学式3ビーム |
対物レンズ駆動方式 | 2次元平行駆動 |
光源 | 半導体レーザー |
波長 | 780nm |
<フォーマット> | |
標本化周波数 | 44.1kHz |
量子化ビット数 | 16ビットリニア/チャンネル |
伝送レート | 4.3218Mb/sec. |
変調方式 | EFM |
エラー訂正方式 | CIRC |
<その他> | |
電源 | 100V、AC50/60Hz |
消費電力 | 10W |
外形寸法 | 幅225x高さ138x奥行400mm |
重量 | 7.0kg |
付属 | ワイヤレスリモコン RC-342 |