オーディオの足跡

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P-70の画像
 解説 

P-0の血統を引き継ぐVRDSメカニズムにWord Sync端子とD/Dコンバーターを搭載したCDトランスポート。

メカニズム部にはVRDSメカニズムを搭載しています。
このメカニズムはディスクと全く同径の高質量ターンテーブルにディスクを確実にクランプし、ディスク自身が持つ固有振動やメカニズム系の不要振動を徹底排除しています。また、ディスクの圧着面には極めて緩やかな傾斜を持たせることでディスクの反りや歪を矯正し、ターンテーブルの傾斜角と同角度に微調整されたピックアップによって常にピックアップ光軸中心での正確なピット読取りを実現しています。そして、光学ピックアップとディスクピット面の相対光軸精度を大幅に向上させることで不要なサーボ電流を低減しています。これらによりディスク読取りエラーの大幅な減少を図っており、さらにクロック回路のタイミングエラー(ジッター)発生を防止するなど、優れた効果を得ています。
P-70ではディスク圧着面を含む全ての面の加工精度を大幅に向上しており、新設計のアルミ/真鍮複合ターンテーブルを採用することでディスク回転時の鳴きを大幅に低減しています。さらにターンテーブルをグリーン系に染色することで不要乱反射を吸収して音質改善を図っています。このターンテーブルの表面は1.6μm、テーパーは0.5゜の精密加工となっています。
また、新開発ターンテーブルを確実に保持するためブリッジ部には切削加工された最大20mm厚アルミブリッジを採用し、さらにブリッジ上部のモーター軸受には130x65mmで厚さ5mmの高精度研磨処理された炭素工具鋼(SK材)を採用した複合構造ブリッジとなっています。

駆動モーターには新開発のスピンドルモーターを採用しています。
このモーターでは従来比10倍のエネルギーを持つサマリウムコバルト磁石を採用することで強力なトルクを獲得しており、ピットの読取り性能を向上させています。

シャーシ構造にはフルボディード・コンストラクションを採用しています。
この構造はフローティング構造を一切排除したメカ=ボディ直結型の完全一体構造を採用しています。各部には8mm厚重量8kgのメタルボードのボトムベース、強度向上のためにリブ構造を採用した3mm厚の無垢メタルボードトップパネル、さらに最大厚10mmのアルミフロントパネルを採用しおり、精密設計のVRDSメカニズムとインナーシャーシを強固にパッケージしています。さらに、インナーシャーシのフロントと両サイドには銅メッキ鋼板にニッケルメッキを施した二層メッキ処理1.6mm厚構造とすることで内部干渉を極力排除しています。
また、脚部には重量級鋳鉄製ピンポイントインシュレーターを採用しており、総重量25kgのハイマス・ボディを実現しています。これにより内外部振動への対策を強固なものとしています。

脚部に採用された鋳鉄製ピンポイントインシュレーターは、フロント2点、リア1点の3点支持としており、最適なメカニカルアースをとっています。
さらに重心を3つのピンポイントを結ぶ三角形の中心にレイアウトしています。

ワードシンク端子は44.1kHzと88.2kHzに対応しています。
内部のVCOを用いたPLL回路で機器内部を制御するマスタークロック(33.8688MHz)を作ります。このマスタークロックはワードシンクを出力する機器に完全に同期するため、トランスポートのジッターや送信時のジッターを無視できます。
また、P-70ではVCOのジッターも最少となるよう水晶振動子を利用したVCXOを用いており、PLLループフィルター定数選択も行えるようになっています。
ワードシンク端子はBNCコネクターで、別にスルーアウト端子も設けているため、他のワードシンク対応のトランスポートも接続可能です。また、スルーアウト端子を用いた時は自動的にターミネートインピーダンスが切り替わります。

D/DコンバーターのアップコンバートにはRDOT(Refined Digital Output Technology)を使用しています。
RDOTはフルエンシー理論による類推補完技術で、時間軸成分の歪が発生せず、20kHz以上の音を再現しています。このRDOTを使用して24bit/88.2kHz、176.4kHzのサンプリング周波数にアップコンバートします。
なお、176.4kHzはXLR端子2本で出力します。

デジタル出力は全ての端子(XLR、RCA、TOS)に対して出力端子直前でマスタークロックによって陸ロックされ、さらなるジッター精度向上を図っています。

D/Dコンバーターを通さないデジタル出力端子も搭載しており、これらの出力もマスタークロックによってリロックされています。

電源部はメカニズム部とデジタル部を分離した2トランス構成を採用しています。
また、各回路の相互干渉を排除するため、8定電圧電源回路を搭載しています。

デジタル出力用の最新型トランスミッターICには192kHzに対応sいたAK4103を採用しています。

ワイヤレスリモコンが付属しています。

P-70には2003年から2005年までバージョンアップサービスが行われていました。
このバージョンアップでは176.4kHzのワードシンク入力に対応できます。また、ワードシンク端子は金メッキ仕様のBNC端子に変更されました。
パーツ類には厳選された高品位パーツを採用していました。
さらに初期型P-70ユーザー向けに確実な設置が可能な一体型ピンポイントフットへの変更が行われました。

機種の定格
型式 CDトランスポート
ワウフラッター 測定限界以下(水晶発振精度)
出力端子 RCA(44.1kHz固定):1系統、0.5Vp-p/75Ω
RCA(44.1kHz/88.2kHz可変):1系統、0.5Vp-p/75Ω
TOS(44.1kHz固定):2系統、-15~-21dBm
TOS(44.1kHz/88.2kHz可変):1系統、-15~-21dBm
XLR(44.1kHz/88.2kHz/176.4kHz可変、176.4kHzは2本使用):2系統
ワードスルーアウト:BNC、1系統
入力端子 ワードシンク入力:BNC、1系統
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 12W
外形寸法 幅465x高さ160x奥行355mm(脚部含む)
重量 25kg
付属 ワイヤレスリモコン
別売 バージョンアップキット VUK-P70(¥150,000、2003年12月8日~2005年3月31日)