
ESOTERIC P-50s
¥450,000(1999年11月発売)
解説
VRDSやDSRLLなどのエソテリックの技術を投入して開発されたCDトランスポート。
メカニズム部にはVRDSメカニズムを採用しています。
VRDSではディスクと全く同径の高質量ターンテーブルにディスクをクランプする事でディスク自身が持つ固有振動やメカニズム系の不要振動を排除しています。
また、ディスク圧着面に緩やかな傾斜を設けることでディスクの反りや歪を矯正しており、ターンテーブルの傾斜角と同角度に微調整されたピックアップによって常にピックアップ光軸中心での正確なピット読取りを実現しています。これによりピックアップとディスクピット面の相対光軸精度を大幅に向上させ、不要なサーボ電流を極少に抑えています。
これらによってディスク読取りエラーの大幅な減少を図り、しかもクロック回路のタイミング・エラー(ジッター)発生を防止しています。
P-50sのVRDSメカニズムでは新設計のアルミ削り出しターンテーブルを採用しており、ディスク圧着面を含む全ての面の加工精度を大幅に向上させています。さらに、ターンテーブルをグリーン系に染色する事で不要乱反射を吸収しています。
また、この新開発ターンテーブルを保持するブリッジには肉厚補強リブ構造ブリッジを採用しています。そしてメカベースには熱膨張係数が低く温度変化に強い特長を持ち、しかもABS樹脂に比べて約2倍の比重を持つ特殊高分子素材を採用しています。
駆動モーターには高トルクを誇るブラシレスホールモーターを採用しています。
DSRLL(デジタル・サーボ・レシオ・ロックド・ループ)を搭載しており、デジタル信号の可聴帯域ジッターを1/100に低減しています。
また、電源部からのメカニカルジッター混入を防止するため2トランス構成を採用しており、メカニカル制御系とDSRLL回路系にそれぞれ専用のカットトランスを設けています。
デジタルサーボを搭載しており、ディスク毎に理想のフォーカス/トラッキング・サーボ量を検出する事で最良のトレースを実現しています。
シャーシ構造にはメカ=ボディ直結型の完全一体構造筐体を採用しています。
ボトムベースには8mm厚で重量8kgの無垢メタルボード、トップパネルには強度向上のためにリブ構造を採用した3mm厚の無垢メタルボード、フロント/サイドパネルには最大厚10mmのアルミダイキャスト製パネルを採用しています。これらのパーツでインナーシャーシを強固に包んでいます。
インナーシャーシのフロントと両サイドには銅メッキ鋼板にニッケルメッキを施した二層メッキ処理の1.6mm厚構造を採用しており、内部干渉を極力排除しています。
脚部には鋳鉄製のピンポイント・インシュレーターを採用しています。
真鍮ブロックにステンレスのピンを組み合わせたハイブリッド構造の3点支持ピンポイントフット&ベースを採用しています。
フロント2点とリア1点の3点支持とする事で最適なメカニカルアースをとっています。また、ベースにはアルミ削り出し材を採用しており、適度な損失を持たせる事で振動する支点と動点を明確にし、不要な共振を抑えています。
さらに、重心を3つのピンポイントフットが結ぶ三角形の中心にレイアウトしています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | CDトランスポート |
デジタル出力 | 48kHz: 0.5Vp-p(RCAx1、WBT社製) 4.5Vp-p(XLRx1) -16~-12.5dBm(STx1) 44.1kHz: 0.5Vp-p(RCAx1、WBT社製) -18±3dBm(TOSx2) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 12W |
外形寸法 | 幅465x高さ161x奥行352mm(脚部含む) |
重量 | 25kg |
付属 | ワイヤレスリモコン(RC-760) |